■2024年12月の「絵てがみコラム」
 

今年最後のイラストの仕事は午前2時までかかって終えた。部屋のクリスマスの飾りを片付けて、墨彩画のzoomレッスンで描いたお手本の干支の色紙を飾った。年賀状を書き始めたけど追加でプリントしようと思ったら、プリンターの調子が悪い…パソコンとのネットワークに支障がありそうだ。うーん困った! とりあえず気分を変えて一休みして温かいスープで夕食。後から考えよう!
今年も残すところあと4日! 恐ろしい速さで過ぎ去った1年だったけど、それなりに充実した年だった気がする。先日イタリア語の年末のランチ会で自分にとって今年の一文字イタリア語で!という課題…うーん、考えた結果私は「gustare」賞味する、みたいな意味だ。食べるだけだと「mangiare」だけど幸せな事に美味しいもの色々頂いちゃったからね。スペイン旅でもたっぷりと…。もちろん体重にも反映されちゃってるけど先日の血液検査では全く問題なしの診断。美味しいものを美味しく食べられる幸せ…噛み締めながら…年の瀬。
今年も一年私の絵手紙コラムにお付き合いいただきありがとうございました! 皆様もどうぞ良い年をお迎え下さい。

 

 
 
 

スペイン旅行の思い出に浸っているうちにあっという間に12月も終盤。本当に恐ろしいほど時のたつのが早い! そう感じるのも歳のせいだとか…。今年は個展の無かった年なので、ま〜〜去年に比べたらだいぶ落ち着いた年と言えるのだけど、それでもやっぱり忙しかったな。歳のせいか?馬力が利かなくなったり、要領が悪くなってサクサク作業がはかどらなかったり…やだやだ!
それにしても周りで「派手に転んだ!」という話をよく聞く。この秋から冬にかけて家の玄関や職場のいつも通るところで、すってんころり!実は見えないところに大きな青あざが…そんな友人知人がなんと4人! どうしたの? みんな! まったく他人ごとではないのだけれど、たった1センチでつまずいたり、一瞬の油断で滑ったり。本当に気をつけなくてはいけない。私のように体がボリューミーだと手や足でカバーしようとして踏ん張って支えて骨折!になりかねない。そういう意味でも元気に無傷で?年の瀬を迎えられていることは上出来なのかもしれない。
さて、スペイン旅行の直前にいただいたお仕事で以前Eテレの「趣味どきっ!」の番組で「名画に学ぶにっぽん筆ペンイラスト」の講師として登場して、テキスト本もNHK出版より発行されたのですが、その別冊MOOK版として宝島社から「NHK趣味どきっ! 筆ペンで描くにっぽんの名画」が出版されることに。私が丸ごと「なぞり書き」のお手本として監修しています。宝島社らしく鳥獣戯画の柄が付いたオリジナル筆ペンが付録として付いてきます! 詳しくはWhat's Newをご覧ください。
それから、この秋からヴォーグ社の通信教育で「おいしい水彩画レッスン」が始まりました。ご興味のある方はお問い合わせください。

 

 
 
 

最終日の朝、パラドールのテラスに出てみた…というより、吸い寄せられるように私たち3人は空を見上げた。恐ろしいほど美しい朝焼け…。うわ〜なんて言う色! 思えば今回の旅は本当にお天気に恵まれた。もともと雨の多いエリアで名物が「雨」といわれるほどで予報も半分くらいは雨予報だったのだ。それが朝、霧雨が残っていてもすぐにびっくりするほどの青空が広がり気温の丁度良い連日秋晴れに恵まれた。
コロナ禍前から「次は一緒にバスク旅!」と情報収集、計画をあれこれ考えて、それぞれに仕事や家庭の事情を必死でやりくりしてきた。3人とも高齢の母を抱えている。不測の事態でドタキャンもやむを得ず。ぎりぎりまで仕事に追われ出発間際まで体調が万全でなかったり…。悠々自適な身分では決してないのである。もともと旅で知り合った3人、旅へのこだわりや楽しみ方が分かり合えているんでしょうね〜。本当に思い描いていたことを実現できてよかったな〜って言葉にできないような鮮やかな朝焼けを見ながらそれぞれがそう思ったはずだ。
私たちと3つのスーツケースを乗せた大きなベンツは快適なドライブをしながら海岸沿いの「ゲタリア」「ゲルニカ」「サン・ファン・デ・ガステルガツェ」世界遺産の「ビスカヤ橋」などを巡って夕方、ビルバオ空港に到着した。贅沢と節約とこだわりに満ちた私たちらしい大人旅だったと思う。私たちは元気にイスタンブール経由で帰国の途に就いた。
ここで一旦、スペインのお土産話は終わりにします。また思い出したことや本当は描きたいことまだまだありますのでそのうち…。思い出話にお付き合いいただきありがとうございました!
来年2025年11月16日〜30日の銀座伊東屋での個展ではこの旅の絵もたくさん登場すると思います。楽しみにしていてくださいね。

 

 
 
 

この旅の最終宿泊地オンダリビアのパラドールに到着した。パラドールとはサンティアゴ・デ・コンポステーラ滞在中も美術展のレセプションが開催され、巡礼者の救護施設として設立された王立病院が5つ星ホテルに改装されたパラドールの話を少ししたと思うけど、そこでは宿泊はできなかった。でもこの旅最終のホテルはフランスとの国境の町オンダリビアでは少し奮発して要塞でもありカルロス5世の古城でもあったパラドールに決めていたのだ。要塞だから決して大きいとは言えない窓からビタソワ川を臨み対岸はフランスである。ヨットハーバーはキラキラと輝き美しい。まるで旅サラダ!(テレビの旅番組のシーンのよう…)
まずはパラドール内の探索だ。荘厳な石作りで中庭を囲んでロの字の吹き抜けになっている。壁に飾られたタペストリーや調度品、刀剣類など歴史の重みを感じる。異国を旅しているんだな〜と感じる、ちょっと現実離れした空間に取り囲まれたときもちろん緊張感や疎外感のようなものを感じたりするけど、それよりも普段暮らしているだけじゃあ巡り合えないものに会えたこと、見れたこと、今そこにいること…に感動したりするのです。それが好きなんでしょうね〜。

 

 
 
 

私たち3人と3つのスーツケースを乗せた車は海や川から離れて、馬や牛が草をはむ「フレンチ山バスク」と呼ばれるエリアに入った。この町を訪れることをとっても楽しみにしていた。この町に似合う服を用意してこの日に臨んだくらいだ。
天気は快晴! もうウキウキ! かわいい赤い窓枠が印象的な家々が増えてきた。そして唐辛子(赤ピーマン)が干された壁が印象的なお店やホテルが私たちを迎えてくれた。小さな広場で青空マルシェが! 車を降りた私たちはもう最初から興奮しちゃって小さなテントに突入! 色とりどりの籠屋さん! ああ大きな手編みのバスケット持ち帰れたらな〜え〜このくらいのサイズだったら大丈夫じゃない〜きゃあきゃあ言いながら思案したり冷やかしたり。かわいい町の写真もたくさん撮りたいし、私込みの写真も撮ってほしいし、お土産ももっと買いたいし、予約したランチの時間だし…楽しい時間はいくらあっても足りない。
この赤と緑の赤ピーマンの町「エスペレット」を後ろ髪をひかれながら車は次のフレンチバスクの町「サン・ジャン・ド・リュズ」に向かったというわけだ。私たちは3つのフレンチバスクの町を楽しんだ後、最後の宿泊地「オンダリビア」へ。そこはスペインバスクに戻った形になる。
心地よい疲れとともに私たちはカルロス5世城と呼ばれる要塞のパラドールに到着した。

 

 
 
 

スペインの国境からわずかに10キロ、名前から何やらお洒落な予感! 小さな港町「サン・ジャン・ド・リュズ」そのあたりをフレンチバスクと呼びパスポートチェックなど全くないまま、私たちを乗せた車はこの町に着いた。
夏はバカンス客でにぎわうであろう明るい町並みでかわいいお土産屋さんが並ぶ。中でも伝統的な元祖マカロンを売る店やこのサン・ジャン・ド・リュズが発祥といわれる素朴な足ざわり?な靴、エスパドリーユなどショッピングが楽しい。ルイ14世とスペイン王女マリー・テレーズが結婚式を挙げた教会があるなど古くからの由緒あるリゾート地という感じだ。
実はこのサン・ジャン・ド・リュズに来る前に朝、サンセバスチャンを出て車は古代ローマ時代から続くといわれるフレンチバスクの街「バイヨンヌ」に立ち寄った。朝霧が立ち込めこの旅一番の冷え込んだ朝だった。ニーヴ川沿いにカラフルな窓枠の家々が立ち並び昨日までのスペインバスクの街並みとはちょっと趣が違っていた。
そこはフランスで初めてチョコレートが伝わった町として知られ、メインストリートには何軒もショコラティエが並んでいた。すっかり冷えた私たちの身体を一杯のホットチョコレートが温めてくれた。

 

 
 
 

 <<<11月

1月>>> 

 
▲TOP
■COLUMN ●HOME