■2022年9月の「絵てがみコラム」
 

週末、連休ごとに台風…そして雨。昨日お墓参りに行っておいて良かったな。
行楽スケジュールも別にないので講座のカリキュラムの準備など。秋は紅葉や木の実などをモチーフにすることが多いけど毎年それじゃあね〜。秋の花…リンドウや菊だとグッと和風になっちゃうしな〜と悩んでいたところにエリザベス女王の国葬中継。厳粛で圧倒的な規模の式典に圧倒されたが、私が特に注目したのが棺の上に飾られた花…あ! お花屋さんの花じゃない! すぐに気が付いた。今、庭に咲いている花だ! エリザベス女王のうちの庭…きっとバッキンガム宮殿の庭に咲いている花でもお花屋さんが出来るほど咲いているだろうけど、とてもナチュラルでローズマリーの枝が庭に這うがごとくに棺を包んでいる。しばらくして解説者が、チャールズ新国王の意向でバッキンガム宮殿内で育てられた花々を献花にしたと。薔薇と(品種はクイーンエリザベスかな〜?)立ち枯れ紫陽花も、粒粒したのはベンケイソウかな? 南天の葉がローズマリーと並んで印象的だ。チョコレート色の秋桜やスカビオサも…結婚式の時のブーケから育てられた銀梅花の枝も入っているという。素敵ですね。次のレッスンはこれを描きましょう! 難しいぞ〜〜〜。
さて、風はすっかり秋に代わって来ましたが、猛暑の折に流山の蔵カフェ・灯環ギャラリーで開催された今年の個展の様子をExhibitionに、また、お仕事で薔薇の絵をたっぷり描かせていただいたビッグサイトでのイベントの様子をWhat's Newにアップいたしました。是非ご覧になってください。

 

 
 
 

楽しみにしている映画がある。11月に封切られる「土を喰らう十二カ月」作家水上勉の料理エッセイから生まれた長野の山荘での素朴な暮らしの映画らしい。旬の野菜や季節折々の木々や土の香りが漂ってきそうな…。日本人離れした食生活(ご飯も滅多に炊かない、パン人間!)を送っている私には眼に新鮮で耳が痛い映画かもしれないけれどとても楽しみだ。
最近情報番組やバラエティーではラーメンと焼肉と爆盛りの丼やお寿司…なんだか、グルメ…ってそうなのかな〜と強く感じる今日この頃、もっともっと素朴なものが一番贅沢なんじゃないかと教えられそうな映画だ…11月封切なのでまだ予告編しか知らないけど。
先日、銀座松屋で毎年のように楽しみにしている「銀座手仕事直売所展」に行って来た。文字通り作家の手のぬくもりが感じられるような暮らしの道具の展示販売なのだが、一部この映画とのタイアップのコーナーがあり、とても賑わっていた。SNS用のフォトスポットもあり、主人公と一緒に台所仕事をしているかのように写真を写して、まるで乙女のようにはしゃいできた。(笑)
映画に登場しそうな器もいくつか買って(やはり断捨離には縁が無い!)「映画に登場する取り皿は…」とスタッフが薦めたモノはちょっとシンプル過ぎて描くにはつまらなそうだな〜と(なんでもお薦め通りには買わない!)いくつかチョイスして帰り、早速何枚か描いてみた。頂き物のシャインマスカットを数粒乗せてみたり、チーズを乗せて見たり…素朴な小さな楽しみをまた見つけた! 映画を見る前から日々愉しい!

 

 
 
 

エリザベス英国女王が96歳で逝去された。特に縁もゆかりも無いけど、世界一有名な高貴なおばあちゃまとして親しまれた方で時代の象徴を悼む気持ちになる。高齢化社会を映し出していて、仕事を持つ女性がどんなふうに旦那さんに支えられ、子育てをして…トップを走り続けられるのか世界中が見ている稀有でシンボリックな存在だった。
まあ自分たちの暮らしのお手本に・…というにはあまりに遠い存在の女王様ですが、いつも華やかな綺麗なお色の装いで、あんなピンクとかエメラルドグリーンとかお帽子とおそろいで…素敵! 歳を取ったら綺麗な色を着るべきよね〜〜と単純に憧れてしまう。
一足早くこの絵をインスタグラムにアップしたら、イングリッシュフラワーアレンジメントを習っていたというフォロワーさんが「この可愛いピンクの色こそ、クイーンエリザベスという名前のバラの色ですよ。」と教えてくれた。奇跡の偶然でした! たくさんある綺麗なお色の服の画像の中から描いた、ピンクの帽子とコートお似合いですよね。
バッキンガム宮殿の前に集まった人々の目の前に美しい虹が二重にかかったという…さすがです! 虹を渡って天国でフィリップス殿下とどうぞお幸せにお暮しください。
ご冥福をお祈りします。

 

 
 
 

スペイン・バルセロナから帰ってきた…と言っても私ではなく、「夏・VERANO」という作品が帰ってきた。正しくはその複製画が返却されて、原画はまだ旅をしている。
ここ2年ほど海外での作品展に薦めてもらって作品を1点出品している。本当はそれにかこつけて自分の作品を追いかけて旅する魂胆だったのに…今年も行けなかった。贅沢なことだけど自分の描くことへの励みと言うか、挑戦というか、投資というか。日本の美術作品を紹介する作品展に、今回はその複製画がバルセロナの世界一美しい病院と言われているサン・パウ病院で展示され、その展示で得られた収益の一部がコロナ禍で奔走する医療従事者へのチャリティーになるというものだった。その病院は今はもう病院として使われていないけど、バルセロナでアントニ・ガウディーの師匠とも呼ばれると建築家リュイス・ドメネク・イ・モンタネールの作品として有名で是非一度見てみたいと思っていた場所なのだ。そこに展示されるなんて素敵だな〜〜と夢見ていたけれど。コロナに加えてウクライナ問題! 旅費の高騰で断念した。旅好きな私の代わりに、私の作品は時々旅をしているという訳だ。
今回は「夏」という作品…夏が終わって「夏」が帰ってきた。

 

 
 
 

 <<<8月

10月>>> 
 
▲TOP
■COLUMN ●HOME