■2016年2月の「絵てがみコラム」
 

先日、日本で一番古い総合結婚式場「目黒雅叙園」で開催中の百段雛まつりーみちのく雛紀行ーを見てきた。毎年この時期になると気になるイベントだった。
目黒雅叙園の百段階段(正式には99段)は有名で、以前一度生け花の展覧会をここで見学した。昭和の竜宮城と評されるそこは、昭和10年に建てられ美しく現存する木造建築で、階段廊下の南側に7つの豪華絢爛な部屋がつながっている。その部屋の内装は、天井や欄間に当時屈指の職人や芸術家が腕を競って作り上げた贅が残されている。そこをバックに岩手・宮城・福島の武家や豪商に伝わる立派なお雛様や、庶民的な玩具のようなお雛様が所狭しと飾られていた。そのスケールは桁はずれで、別世界の空間。
今年は東日本大震災から5年、その意味もあり今回は「みちのくのお雛様」が集められたということらしい。中にはわずかだが津波のがれきの中から見つかった泥だらけのお雛様も…ちょっと胸を締め付けられるような…99段の階段を下りて現実の世界?に戻ってくると、ちょっとほっとするような…。圧倒的で貴重な経験だった。

 

 
 
 

鼻もムズムズ、目もかゆい! それでも興味のあることには出かけたい。忙しい時に限ってゆったり遊び時間を優先してしまう。
東京国立博物館で開催中だった「始皇帝と大兵馬俑」展、終了近くなって友人から嬉しい誘い。いつか中国本土で実物を見てみたいものだ…かなりダイナミックに展示されていても、やっぱりね〜土っぽさとか違うんだろうな〜好奇心は余計膨らんでしまう。
汐留ミュージアムで開催中の「キュー王立植物園所蔵・イングリッシュガーデン・ボタニカルアート」展も。やっぱり植物好きには植物画より実物を見たいな〜と思ってしまうけど、大航海時代、世界各地からもたらされた珍しく美しい植物への情熱や探求心が、記録画を超えた素晴らしい作品として多く残っており、とても興味深かった。ロンドン近郊に18世紀半ばに開園したキュー国立植物園は、今では最先端の植物学の研究機関としても高く評価されて2003年に世界遺産に登録されているそうだ。
そして、竹橋の東京国立近代美術館で開催中の「ようこそ日本へ」1920〜30年代のツーリズムとデザイン展もとても面白かった。鉄道や航路が整備された第一次大戦後、世界的な海外旅行ブームになり、日本政府も国際観光局を発足させた。ちょっとびっくり! そんな時代にそんなブームが…そのころの魅力的なポスターやパンフレットのデザインのいい味わい。帰路、目の前には皇居。丁度梅がきれいらしいよ。いいねいいね! 皇居東御苑、平川門から入ってみることに。重厚な門を抜けると、都心とは思えぬ静けさ。すぐに梅のほのかな香りが…満開! 梅林坂と呼ばれるそこは、見事に太い幹の紅梅白梅。梅の木の足元にはふきのとう〜春だね〜。おまけに鮮やかなピンクのあの樹は? 河津さくら! こちらも見事に満開! 外国人観光客だけに独占させておくのは勿体ないよ! こんな都心の「THE 日本」というような空間で、無料で春満喫。「ようこそ日本へ」と言ってもらった気分! おすすめです!

 

 
 
 

ひとつぶ食べて、もうひと踏ん張り! おかげさまで何となく忙しい日々を送っている。
11月の個展に向けてちょっとずつ描きためて…と思っていたところに、久しぶりに銀座伊東屋さんから作品展のお話をいただいた。銀座本店が装いも新たにグランドオープンして、文房具屋さんを遥かに超えた姿が話題だが、1階の売り場を通り抜けて裏の通りに出た左手にもう一つの伊東屋。銀座らしい高級感が漂う万年筆売り場の下、地下1階が額装売り場とコーナーギャラリー。そこでの展示だ。
2009年から3年続けて以前の本館のミニギャラリーで企画作品展をさせていただいて早5年! 2011年の春の開催時は、丁度東日本大震災の直後で銀座の街さえ計画停電、節電、営業時間の短縮、華やかなものの自粛、余震も続き関東全体が非常事態のままだった。とても印象深く残っている。あれから、もう5年が経とうとしているんだね…。それ以来の銀座伊東屋での作品展、春の陣を猛ターボで発進せねば…。
4月12日〜29日、「薫風を招いて」タイトルは決めた! 悪戦苦闘の末DM用の作品もなんとか…。美味しい自分へのご褒美チョコをひとつぶ! 猛ターボの燃料はこれか!? こんな深夜に…絶対、ひとつぶにしておけ〜〜!

 

 
 
 

あちこち身体のメンテナンス中です。先日も書いた長年の持病、撲滅すべく…。ちょっと肝臓が弱いのです。私をよく知る人は、私がお酒を全く飲まないのに、え?肝臓?と驚かれるのですが。春まで週1病院通い。そのせいでもないけど、この寒さで肩こり重症化。絵を描く時間も増えて腰も痛い。1日20時間くらい同じ姿勢で座っていることも…骨盤とか首とか整骨院でバキバキ調整中。
プチ筋トレは何とか週1くらい通い続けて早5年。これは旅行好き、ライブ好きの自分のため。いくつになっても、重い荷物を持って自分の足でヨーロッパの石畳をガシガシ歩きたいし、3時間立ちっぱなしのライブで踊りたい! 気力だけではダメなので、筋力の老化現象は緩やかなカーブでお願いしたいというわけで、そのプチ筋トレでささやかな抵抗中だ。歯と目もね〜〜〜…。老化現象の話はもういいか〜!
先日、7年ぶりくらいに以前住んでいた文京区小石川の坂道を歩いてみた。彼が亡くなってから、近くの駅まで行ってもなかなかその坂道まで足が向かなかった。成熟した都心のその街はあまり変わっていない。新しいマンションが建つ土地も無い。家のすぐ裏のテニスコートも和菓子屋さんも公園も変わらない。図書館も…。彼は毎日図書館で新聞を熟読するのが日課だったな〜、亡くなる前に私が絶対読まないであろう難しい歴史小説などの書籍をごっそり図書館に寄贈していった。ちょっと探してみたい衝動に駆られたが、本のタイトルを全く思い出せないことに気が付いた。なんだ〜やっぱり、老化現象の話ですか〜!?

 

 
 
 

 <<<1月

3月>>> 
 
▲TOP
■COLUMN
●HOME