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シェフシャウエンを出発した車はリフ山脈を下り、沢山の麦畑を越えオリーブ畑を永遠に見せつけ、羊や山羊やラクダや馬やロバ一生分見ながら疾走する。ちょっと飽きてくたびれた頃に「オレンジ食べる?」と、す〜っと車は止まった。道端のオレンジ農家のテントの出店で買い食い!
美味しいね〜こう言うのが一番の旅のご馳走!
なんども写真ストップを繰り返しながら辿り着いたのは、平原の中に忽然と姿を現す世界遺産。「ヴォルビリスの考古遺跡」紀元前のローマ帝国の美しいモザイクなどがあざやかに残る。こんなに手つかず?
ほったらかし風? の広大な遺跡…世界遺産なのに大丈夫〜?と心配になるくらい炎天下に吹きっさらし。ローマ時代ローマ属州の州都となり、全盛期には2万人もの人が住んでいたそうで1755年のポルトガルリスボン大地震で大きな被害を受けて土に埋まった。(え〜〜〜!リスボンの地震で〜!?)1874年フランスの考古学グループによって発掘が始められ、細々と続いているそうだ。
クラクラしそうな炎天下、夾竹桃の花だけが元気に揺れている。ヴォルビリスとは夾竹桃の花の事だとか、出来過ぎだ〜!見上げれば修復された神殿の石柱の上にコウノトリの巣〜〜〜!
なんだか現代の現実の光景と思えない。遮る物の無い炎天下なのに向こうの丘からす〜っと気持ちの良い風が、タンジェ門からカラカラ帝の凱旋門を吹き抜けていく。遺跡好きの私たちは、石壁の中に静かに残るモザイクの床を探しながらしばし蜃気楼のような遺跡探索を楽しんだ。
車は予定時間をだいぶオーバーして一路古都メクネスを目指す。
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私にとって渡航26カ国目にして初のアフリカ大陸である。夏の始まりのアフリカ…いつもの海外旅行の楽しみな部分と同じくらい不安要素も。暑さ対策、紫外線は?
虫は? 水は? 怖くないの? 危なくないの?
モロッコはアフリカ大陸の上の方の左端、ジブラルタル海峡をはさんで右に地中海、左に大西洋が広がる。スペインからジブラルタル海峡をフェリーで1時間ほどで渡って入国することもできる。20年近く前、私はこのルートを真剣に調べていた。インターネットも無い時代でエキゾチックな「異国」への憧れを色々かき集めては、ため息をついて諦めていた。モロッコは王国、元首はムハンマド6世。国王を元首とする立憲君主国家。国民の大半はイスラム教スンニ派。面積は日本の1.
2倍(西サハラを除く…とガイドブックにあるが左下に隣接する西サハラの扱いが良くわからない。いずれにしてもそこはほとんど砂漠の様だが)人口3250万人アラブ人65%ベルベル人30%。公用語はアラビア語、ベルベル語、そしてフランス語。(私にとっては絶望的だけどドライバーさんやローカルガイドさんは英語も。同伴のJさんは英語ができるので、私はラッキー〜!
アラビア語でご挨拶だけ覚えて、にっこり笑ってごまかす旅…テへへ)
今回、ハードなアトラス山脈越えを避けたので砂漠エリアは無し! モロッコの上半分を8泊で回るプランだ。どうしても行きたい町、見たい景色、泊りたい宿を日本の旅行会社を通して現地旅行社に手配を依頼。最善のルートや手段を提案してもらった。郷に入れば郷に従えだ。贅沢に思える全行程ドライバー付きローカルガイド付きは女二人の旅を安全に、なるべく快適に遂行する安心料でもある。実際この選択が正しかった〜と思える事に幾度となく遭遇することとなる。
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モロッコ料理と聞いて何を思い出しますか? タジン鍋とクスクス…大体そんなところですよね? それからミントティー。ちょっと甘過ぎるミントティーを旅の間、沢山飲むことになる。タジン鍋はモロッコ人が毎日のように食べている煮込み料理だ。三角錐の厚い蓋が特徴の陶器の鍋で、野菜や肉を蒸し煮する。豚肉以外何でも。鶏、牛、羊、ウサギ、魚、鳩のひき肉、ラクダも。一番ポピュラーなのが鶏肉と野菜とレモンのタジン。彩りも美しい。牛肉とイチジク、羊とアプリコットと言う組み合わせもなかなか美味だった。
料理に甘みがあるのがモロッコ料理の特徴かもしれない。モロカンサラダという前菜はお店によってかなり違い、野菜をさいの目切りにしてフレンチドレッシングで和えただけのさっぱり系から野菜に火を通した、焼きナスにツナ和え、独特なスパイスで煮たトマトとオリーブとか…韓国料理の多種類のお通しキムチに似た小さな器(ミニタジン鍋)で提供されることも。旅の初め、長い山越えドライブに少々疲れて食欲の無かった私だが、たった一つ持って行った「梅お粥」で完全復帰!
やっぱり私、日本人だわ〜〜と痛感。以後元気に色々食べることができた。
さて、同伴のJさんは「こんな美味しいオリーブがあるのにお酒が飲めないなんて〜!」と何度か暴れていた。そうだ、ここシェフシャウエンは、かなり厳格なイスラム圏の田舎町、観光客相手のレストランでもアルコールが提供されることは無かった。
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中東ドバイ経由、ほぼ一日がかりでモロッコの玄関口カサブランカのムハンマド5世空港に到着、20年来のモロッコ熱が再発して実行するまでにあまり時間は要しなかった。なぜならハードな行程になることは分かっていたのでこれ以上歳を取る前に…40度越えのアフリカ大陸の夏が来る前に…行ってしまえ〜!
今回の旅の同伴者は友人の義理のお姉さま(どこまで友達?)旅好きでイスラム圏の旅にも慣れた、プロのバイオリニストJさん。「モロッコ行きたい!この日程なら大丈夫!」フリーランスの身同志、即意気投合してお互い初のモロッコ旅行と相成った。私の我儘なリクエストに合致するツアーは無く、全行程ドライバー付きの爆走2000km!
しばしお土産話にお付き合いください。
カサブランカの空港から首都ラバトへ。日差しは強いけど風は冷たく心地よい。モロッコの中で一番ヨーロッパ寄り、スペインからジブラルタル海峡を渡ったあたりをリフ山脈の麓、ティトゥアン目指して車は走る。のどかな高原地帯と言った感じ。羊が草を食みサボテンが花を付けている。白い町ティトゥアンはスパニッシュモロカン。
しかし旅の初めの第一目的地はここではなくさらに奥まった「シェフシャウエン」1920年までイスラムの聖域として長い間異教徒と外国人に門を閉ざしていた、ちょっと秘境的な小さな町だ。20年前からこの町の存在は知ってはいた。しかし最近あまりにも「青い不思議な町」として人気沸騰!
気になって仕方なくなっていたのだ。この「青」を見るためにとんでもなく遠い旅に出たのだ。
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どっぷり梅雨ですね。外は強い雨が降り続いて、色々警報が出ているみたい。皆さんのところは大丈夫ですか?
1日に終了した、蔵カフェ灯環でのコラボ展にお越し頂いた皆さん、ありがとうございました。幸い会期中、気持ちの良い五月晴れが続き、多くの方に「サラダな毎日」気分を味わっていただけたような…。(会場の様子はExhibitionのページにアップしました。)
さて、自分にとって一つの大きなイベントが終了して、段ボールの荷も解かぬうちなのですが、月曜日からちょっと旅に出ます。「ははは。旅に出る…って言葉、すっげ〜久しぶりに聞きましたよ。松尾芭蕉っすか〜?」って担当の美容師さん。そうですよね。2週間足らずの旅行で、ちょっとオーバーなのですが、私にとっては体力的にも、暑さとの闘い的にも、言葉的にも(それはどこへ行ってもですが…)結構挑戦の地かも?
どうなることやら。
絵手紙コラムも2回ほどお休みします。今回はパソコンも携帯電話も無しです。帰国したら気持ちがホットなうちに、不定期でどんどん描いて行けると良いな〜と思っておりますので楽しみにしててください。
ではでは、行ってきます!
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