■2011年3月の「絵てがみコラム」
 

26日土曜日から銀座伊東屋での3回目の個展が始まります。
今回は「THE GARDEN・机の上の小さな庭」というタイトルです。
震災の傷もまだまだ深く、計画停電、節電の影響で銀座の街も暗いけど、せめてミニギャラリーの壁に、一足早く春の気配を…。
なんだか三月も終盤だというのに寒いですよね。雪が舞う被災地の様子に心が痛みますが、みんなそれぞれの立場でぐっと頑張って、ぐっと耐えて春を待っている。祈りや願いを込めて、頑張ろう!

会期中、計画停電の影響などでお店の営業時間の変更があります。
30日まで10時〜19時の予定になっておりますが、また変更もあるかもしれません。お手数ですがWHAT'S NEWから伊東屋のHPでご確認いただき、お立ち寄りいただければ幸いです。

 

 
 
 

宮城県三陸沖を震源とした「東北地方太平洋沖地震」において被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。また、亡くなられた沢山の方のご冥福をお祈りいたします。

あの大地震、大津波の大惨事から一週間、爪あとは余りに大きく福島原発の不安からも解放されない日が続いている。余震も続き計画停電で首都圏全体の麻痺も続いている。心がざわざわして、悲しくて、落ち着かなくて…。
電気や水のありがたさが身にしみて、一枚の毛布の暖かさも知った。でも被災地の人たちの暮らしに比べたら小さな不安や不自由は、あまりにあまりに小さい。そして自分にできることも、あまりにあまりに小さい。暖房温度をぐっと下げて一人分以上の買いだめをしない。そしてなるべく平常心で仕事する。
26日から予定している銀座伊東屋での個展は、今日現在、予定通り行うつもりです。こんな状態で絵を見るとか、銀座まで足を運ぼうとか、そんな心境じゃないと言われそうですが、陶芸やガラスの作家さんの中には展覧会直前に作品のほとんどを破損してしまった方もいると聞きます。出来る人はやる!出来ることをやる!そしてわずかでも、売り上げの一部を震災の義援金として送れたらと考えています。
交通機関も運休が多く、余震の多い中、是非見に来てねとは言い難いですが。銀座でさえも華やかさを失い、ウインドーは暗く閉店時間も早くなっているようです。一週間後はどのようになっているのか想像すらできませんが、伊東屋の営業時間も変更が考えられます。会社帰りに立ち寄ってみようかな?と思っていて下さった方、是非当日電話などで閉店時間をご確認ください。私のHPでもなるべく在廊予定も含めてお知らせしたいと思っております。
みんなが元気に、この辛い時期を乗り越えられますように。

 

 
 
 

翌朝、配られた新聞、そこで目にした光景は愕然とするものだった…。
私はその時栃木県佐野市と言うところで音楽劇の鑑賞中だった。(なんで栃木?と深く追求しないで)開演から46分、ごごごごごっとまるで耳のすぐ横に列車が迫ってくるような音と振動が体を襲った。「きゃ〜〜地震!すごいすごい〜〜〜!」ざわめきと一緒にあちこちから悲鳴が上がり後ろの席から退去が始まった。私は友達と一緒に立ちあがるも、すぐに腰が抜けたように立っていられず、しゃがみ込んだ。列車のような音はまるで貨物列車のように長く続いた。照明器具が左右に走るように揺れ天井からパラパラ破片が落ちる。一瞬よぎるクライストチャーチの光景、芝居はもちろん中止され会館から外に出て途方に暮れる。
タクシーは呼ばないと来ないようなところ、もちろん電話は通じない。勇気を出してヒッチハイク。止まってくれたのはペルー人の青年だった。ありがたかった。駅の横の観光案内所のようなところで100人ほど帰宅難民として夜を明かすことになった。佐野市民ではない私たちに毛布や乾パンが配られ、役所から石油ストーブが持ち込まれ、地元のラーメン屋さんが温かなスープやおにぎりを差し入れてくれた。陸の孤島になったがそれでも恵まれた環境だった。毛布にくるまってパイプ椅子で余震に震えながら一睡もできずに夜が明けた。電話も通じず、メールが出来ない茨城に住む母の安否確認が最後になった。携帯の充電切れが不安をあおったが、翌朝母も元気であることを確認。
電気がついて電車が動き出した12日の夕方やっと帰宅。そして部屋に入ってびっくり!ドロボーに荒らされたような光景、長い横揺れが物語る20センチくらいの小物の移動、落ちて割れて…。ここで一人でいたらさぞかし怖かっただろう…。でも東北海岸沿いの惨状を考えたら大したことは無い。速やかに片づけた。しかし今日は余震続きの影響か船酔いでもしているかのように一日吐き気に悩まされた。

一人暮らし仲間の生存確認メール、すぐに大丈夫〜?との励ましメール。阪神の大震災経験から詳細な避難グッズアドバイス、そして携帯のバッテリーを気遣って直後には連絡をしないという心遣い。すべてに感謝です。元気にしています。

 

 
 
 

長年愛用していた財布が、かなりくたびれてそろそろ新しいのが欲しいと思っていたんだけど、なかなか好みの財布に巡り合えないでいた。
財布は春買うのが良いと母の口癖。単に財布にお金がいっぱい入って“パンパンに張る”という語呂合わせなんだろうけど、どうせなら縁起の良い?春に買い替えたいじゃないか。お店で見かけるたびにチェックしていたら、今日やっと好みのものに巡り合えた。最もまだ中身を入れ替えただけで持ち歩いてはいないので、使いやすいかどうかは未知だ。手触りの良いやわらかい革でカード類も結構入る。そしてなんといっても大好きな蛙色!
蛙のチャームもいっぱい持っているので、この際ファスナーの金具にぶら下げてみた。いや〜んもう!好みの集大成。カエルは“お金が帰る”と言って縁起がいいのよ、と誰でもひとつくらい蛙の小さな小さなお守りが財布に入っていたりするのだろうけど、(もちろん私の財布にも欠かしたことは無い)しかし、これだけ縁起ものだらけの財布も珍しいだろう。
ほら、赤い財布はお金が“アカんべ〜して出て行っちゃう”って言うじゃない?それに引き換え、私のハル財布はお金がカエル色のカエルだらけの財布よ!最強だと思わない?この財布と巡り合ったことで大きなお札が、ひら〜りと飛んで行ったことを忘れて、にんまりする私です。

 

 
 
 

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