■2006年7月の「絵てがみコラム」
 

スーツケースがそろそろ寿命だ。33kgもの荷物を詰め込んでHEAVYシールを貼られることもしばしば…。フリーマーケットの荷物運びにも活躍して、もうコマも壊れて鍵の調子も悪い。
「深みどりの象さん」と呼んであちこち一緒に旅したので愛着がある。
でも次の海外旅行の機会には買い換えねば…でもまだ予定はない。
システム手帳には直ぐに行く為の海外旅行旅支度をメモしてある。
一般的な持ち物以外に私ならではのものを2〜3紹介しよう。

■畳敷きのスリッパ…やっぱり落ちつく。お風呂上りもパイル地のものより気持ちいい。
■ ユンケル…必需品。2日に一本の割合で私の元気の素!
■スケッチブック…なかなかスケッチする時間は無かったりするけど料理の写真を撮った時メニューの名前なんかメモしておいて後でイラストに添える。
■ボールペン…3〜4本あちこちに差しておく。行き先をメモしたり値段の交渉とかすごく良く使う。
■小さなバッグ…ホテルのビュッフェに行くとき大きいバッグじゃね〜。
■冬なら色の違うスカーフやマフラー…同じコートだけだと毎日同じ写真になってしまう。襟元だけでも変えると写真にも変化が…。
■ビニールの安っぽい財布…高級な財布を持ってるだけで狙われることも有るかも。
■メジャー…服のサイズを測る為。国によってすごく違うからね。聞くより計る。バイマイセルフ。

早く次の旅支度したいな〜!

 

 
 
 

白い石の廊下の突き当たりに、篠田桃紅氏の凛とした作品が訪れた人を迎える。静かに自分の足音だけが響く。美しいガラスの手すりの螺旋階段を下りると、暗闇の中にぽーっと白い芍薬の花が浮かび上がっていた。
かねてから気になっていた港区虎ノ門の「智美術館」、「陶の植物園」と題された陶芸家・杉浦康益氏の展覧会。植物好きの私は陶の植物? 疑問と興味と行ってみたかった美術館の3つの誘惑で最終日直前になってやっぱり見ておきたい!と駆け込んだのだ。(会期は7月23日まで)
やっぱり、思ったとおり、興味深く静かで素敵な作品。炎の洗礼を受けて誕生した植物たち…と解説されていた。花は逞しく力強いもので、性格や容姿の違うしたたかな女性のようだと思って私は花を描いている。
冷たいのに暖かい、どっしり静かな陶の植物たちは炎に育てられて益々圧倒的な力強さを感じさせて心地よい刺激を与えてくれた。
会場を2周した後、隣接した庭の見えるカフェでひとりコーヒーを飲む。
まわりをビルに囲まれた小さなオアシスだ。
こういう美術館での静かな時間はとっても貴重。やっぱり来て良かった。
外はまだしとしと雨。梅雨明けが遅れているみたい。この静かな時間はそのおかげかな?…。

 

 
 
 

下町の夏の風物詩「ほおずき市」に出かけた。梅雨明け前の蒸し暑い日曜日、わざわざ人ごみに出かけていくのはあまり好きではないのだが、最も有名な縁日の一つを見たくって暑さに負けずに出かけてみた。
やっぱり、すごい人人人、浅草寺の仲見世はいつ行っても参拝の人で賑わっているが、浴衣姿の人も沢山居てこの日は格別の熱気に包まれていた。
四万六千日の文字があちこちに…何のことかと思ったら、浅草寺の功徳日のこの日に参拝したら百日分、千日分の参拝に相当するご利益が得られる。
とくに多い.46000日分のご利益のある日が7月9日・10日。毎年この日に浅草寺の境内で2〜300のほおずきを売る露店が出て賑わう。
では、なぜほおずきなのか? 昔は薬草として用いられたこともあったとか、赤いものは雷よけになるとか、お盆の季節にご先祖様が帰ってくる時の提灯代わりになるとか…いろんな説があるようだがとても季節感のある不思議な植物だ。
ちなみに漢字では鬼灯・酸漿。英語ではチャイニーズランタン。

 

 
 
 

しっぽーれ。サッカー選手の名前でもイタリアンドルチェの名前でもない。
私が勝手に名付けた野良猫の名前だ。尻尾が折れ曲がっているから、しっぽーれ、どう?結構ナイスな名前だと思うんだけど。
どうやら家の前の桜並木には野良猫か飼い猫かわからない微妙な立場の数匹の猫が棲みついているようだ。
ケーキ屋のカステーラ君、断裁屋の前のダンちゃん、手足だけ白いホワイトソックス。勝手に名前を付けては通りがかりに手を振っておく。
中でも一番人なつっこいのが、しっぽーれだ。子供たちに撫でまわされ、おばさんに餌をもらい、おじさんに話し掛けられ、時には読書する学生の膝の上で眠っている。我が家の会話も「今日しっぽーれ見た?」「石段のところで伸びてたよ」「植え込みの中で物思いにふけってたよ」と、すっかりアイドルだ。
「このにゃんこちゃんはみんなに遊んでもらって幸せだね〜」近所の人が話し掛ける。ひょっとして遊んでもらっているのは、私たち人間の方かもしれない。
私の当面の目標は「しっぽーれ!」と呼んで振り向かせることだ。

 

 
 
 

サムライブルーが早々に姿を消して、ドイツ時間に合わせた生活も何か中途半端で、梅雨の蒸し暑さも手伝ってかすっかり夏ばて気味。
ボーっとしているうちにW杯も終盤。噂どおりの強豪が出揃っている。
とくに思い入れのある国もお目当てのイケメンもいないので、平和にテレビ観戦しているが、やっぱり行った事のある国での開催ということもあってドイツを親しみを持って応援してしまう。
ドイツはインテリアテキスタイルの見本市視察の目的で11回も訪れたことがある。真冬のフランクフルト、駅前とホテルとメッセ会場の往復ばかりで、ロマンチック街道もミュンヘンのビアホールもベルリンの壁跡も見た事がないのだが、それでもソーセージの大きさやグロテスクなアイスバインという塩茹で豚の郷土料理が意外に繊細な味でおいしいことを知っているとドイツ贔屓したくなるものだ 。
本当にアイスバインのプレートには酸っぱいキャベツのザワークラフトとポテトが山のように乗っているのだ。決して人数分注文してはいけない! 町の屋台で売っているソーセージは一応パンにはさまれてはいるけど、パンはおまけで「持ち手」の役でしかなく、ソーセージのはみ出し方が半端じゃないので大笑いしたことなどを思い出しながら、少々ドイツ贔屓のW杯終盤でございます。

 

 
 
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