■2006年4月の「絵てがみコラム」
 

ゴールデンウィーク、今年は1日2日を休めば9連休になるらしい。
フリーで仕事をしている身では良くも悪くも休日には疎くなる。
仕事があれば働いて無いときは休む。「連休明けまでに、お願いしま〜す」の依頼もウエルカムだ。しかし今年は一週間扇子のイベントがあるため、バタバタばたばた!ささやかな遊びの予定も実行したいと思うと連日夜中の2時3時4時…そして朝寝坊。いかん!いかん!もっと清く正しい生活をしなくては。
忙しいという字は心を亡くすと書く。忙しい忙しいとぼやいていたら心を亡くした生活になる…と誰かが言っていた。
忘れるという字も亡くす心と書く。同じなのかな〜なんて考えていたら、ベランダの鉢植えの忘れな草が可憐な花をたくさんつけて揺れていた。良かった気づいて。青年が彼女のためにこの花を取ろうとして、足を滑らせて川に落ちた。「僕のことを忘れないで!」と叫んで花を彼女に投げ青年は流れの中に消えていった…という話からついた名前らしい。悲しい、悲しすぎる。
皆さんは事故の無いように楽しいゴールデンウィークをお過ごし下さいね。

 

 
 
 

記念日をスペイン料理のディナーで祝った。
イペリコ豚の生ハムもガスパッチョもとてもおいしかった。
最近大流行しているアートっぽい白い食器に料理が映える。
昔から白い食器は家庭でもお店でも定番で、よく使われているけど最近のは一寸違う。
極端に楕円だったり、必要以上にとんがっていたり、とんでもなく大きなボディーに料理が乗るくぼみはとっても小さかったり、お盆のように平坦だったり、まるでアート作品の様でちょっとしたテーブルの革命が起きているようだ。シェフも白いキャンパスに絵を描くように、ストレートに制作意欲を掻き立てられるのだろうか?
女性誌のお仕事の後にイラストの掲載誌を頂いているが、料理のページにはそんな白い食器に季節を先取りした美しい食材が盛られている。白は定番だけど食器の世界もデザインは流行性がかなりあるようだ。 料理の味ともども食器の流行も一寸注目したい。

 

 
 
 

東京駅の地下街、八重洲と丸の内を結ぶ通路のはずれに「黒塀横丁」がある。駅のレストラン街が黒壁にまとめられ和食中心の横丁風のエリアに一新されて久しい。地下街の限られた空間だが程よい高級感や外国人観光客にも受けそうな日本らしさもあって気に入っている。
なかでも一番奥にある、横丁共用のトイレはなかなか洒落ている。モザイク風のタイルや和紙風の壁面の間接照明などハードすぎないモノトーンの美しいトイレだ。「自動的に洗浄します…」とか何とか少々おしゃべりなのが玉に傷だが。
印象的なトイレで思い出すのが、昔あった大阪道頓堀のアイスクリームカフェのトイレはすごかった!暗闇にキラキラ光る便器のふたを開けると花だらけ。ミラーボールがまわり、用を足すと「雨に歌えば〜」を便器が歌うのだ。
香港のぺニンシュラホテルの最上階、フィリップ・スタルクが設計したと言われるカフェのトイレもユニークだった。手を洗うところが無いと思ったら、センターに少しくぼみのある大きなテーブル、そこにスタルクっぽいオブジェが…手を洗うための水は予告無しにテーブルから、オブジェからピュッピュと飛び出すのだ。居合わせたもの同士、思わず顔を見合わせるサプライズなトイレ。
まあ、これほど個性的なトイレを望むわけではないが思いがけない所で気持ちの良いトイレに遭遇すると、少し嬉しい気分になる。

 

 
 
 

花冷えが続いたおかげで長く楽しめた東京の桜も、そろそろ終わりかな〜。風の少し強い日は紅白歌合戦の北島三郎の時みたいに見事な花吹雪で桜の季節の終わりを告げています。
桜の季節が終わったらイベントが2つ。

◆千葉のスペースガレリア「春うらら展」
MADAMADAMとしてグループ展に参加します。
4月20日(木)〜25日(水)
詳しくは http://www.interq.or.jp/sun/sgaleria/

◆今年も母の日ギフトイベントとして新宿伊勢丹にて手描き扇子の実演(お好きな花を扇子に手描き致します)イベントがあります。
オリジナルのプリント紙扇子やポストカードも販売いたします。
5月3日(水)〜9日(火)新宿伊勢丹7階和装雑貨売り場
ゴールデンウィークの一日どうぞお出かけください。

 

 
 
 

近所なのに、有名なのに、縁がなくて行った事が無い…。
そのひとつが東京大学。まったく縁が無い…。でも情報誌で東京大学総合研究博物館が無料で公開されていて、今、一般人でも楽しめる展示を開催中だと知ってMADAMADAMのメンバーとミーティングランチの後、足を運んでみた。
そーか、これが有名な赤門。初めて初めてー!と言いながら歴史ある重厚な門をくぐって博物館棟へ。「アフリカの骨・縄文の骨・遥かラミダスを望む」と「標本・ウニの分類学」…?! 骨だらけ、ウニだらけ。 学術標本の内容はともかく展示方法はなかなか楽しいものだった。骨のレプリカがパウチされて目の高さにぶら下げられていて、人間と猿のあごの骨が比較できたり、木箱の標本箱がそのまま積み上げられてその中にバラバラの古代人の頭蓋骨。やっぱり研究者はパズルみたいに組み立てていくのが楽しいのかな〜と想像したり。
アカデミックな中にも親しみやすさがあって、ちょっとお薦めなのだ。

 

 
 
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