■2019年3月の「絵てがみコラム」
 

間もなく、新しい元号が発表される。「平成」ともあとひと月でお別れだ。
思えば平成になった時、私は仕事の視察旅行でドイツに行っていて帰国したら時代が変わっていた。今回は天皇陛下がご存命のうちに元号が変わるので、前回とはちょっと違う雰囲気で新しい時代を迎えることになるわけで、どんな元号になるのか…とか(ローマ字で略した時に、今までの元号とダブらないことが大事だと思われるので、私の予想は…「A」「K」「G」…かな〜とか)、昭和生まれなので3時代をまたいで生きる気分はどんなものか…とか。この春は、平成が終わるカウントダウンなんだな〜とか。テレビでも平成の出来事を振り返る特番ばかりで、経験したことがない不思議な感覚の今日この頃です。自分自身は何も変わらず、特に記念になることも予定していないけど…。
先日先輩に誘われて新宿御苑にお花見に。見事な満開! 遠景に新宿のビル群が見えて、その都会らしい景色が池の水面に写っている。いろんな種類の桜が美しさを競い合っているかのように咲き誇り、今年もちゃんと春が来たよ!と告げているようだった。
そうだね〜平成最後の春ですね〜綺麗に咲いて、儚く風に舞って次の時代にまた会いましょう〜! それにしても新しい元号…何になるかしらね〜。

 

 
 
 

今週は、桜の便りと同じくして内田裕也氏が亡くなり、イチロー選手が引退した。また一つ時代の終わりを目撃させられた感じだ。決して身近な人であったわけではないけど、ああ…そ〜か〜…とうとう…こんな日がいつか来るとはわかっていても、ああ…そ〜か〜…やっぱり…と。
昨夜はイチロー選手の記者会見を最後の最後、夜中の1時半までしっかり見た。時代を締めくくる人の言葉を、なぜか聞き逃してはいけないような気がして。印象的な言葉がたくさんあったけど、長い試合の後の遅い時間の、思いの外長い記者会見で、インタビュアーもカメラマンも、正直みんな疲れ果てていて眠かったに違いない。でもなんか時代の目撃者のような気持ちで聞いていたような気がする。もちろん球場であの空気感を体感したファンに勝るものはないけどね。
そんな中、野球以外の話で愛犬の柴犬「一弓」君が18年生きていることを知った。実はかねがねイチロー選手の口から溺愛している愛犬の名前を聞いていたが、どうしているんだろう…とっくに死んじゃったんだろうな〜と思っていたのだ。それが、ヨロヨロだけど頑張って生きているって、すごくない!? 夜中にしみじみと涙がこぼれました。

 

 
 
 

来週は染井吉野の開花宣言が出そうだ。3月も後半、急激に春めいてきた。ここ2〜3日鼻がぐずぐず…とうとう花粉症本格化ですな〜。参った! 今週は打ち合わせなど、一日外に出ていることが多く、大嫌いなマスクが欠かせなくなってしまった。「万全な体制でお出かけください」なんてTVで言われると無防備で出かけちゃいけないんだ…と一層構えてしまう。目もかゆいし、厄介な時代になったものだ。
それでも、陽気が良くなったら講座の帰り…とか、打ち合わせのついで…とか、映画の帰り…とか、ちょっと予定外の散策をしてしまう。絵を描く人は、人一倍こんな季節の変わり目を、しっかり目撃しなくっちゃいけないんだ!なんて思いながら…。
東京ドームの隣り、何度も訪れたことがある小石川後楽園。自慢のしだれ桜はまだ蕾。梅はそろそろ終わり、庭師さんたちは藤棚や菖蒲田の整備に追われていた。桜を待つちょっと淋しい庭の、木漏れ日の中にカタクリの花が咲いていた。春を告げる花と言われ、うつむき加減の小さなユリのような紫の花は控えめだけど美しい。群生もいいけど、こんな2〜3輪が、広い庭にひっそり咲いているのもいいね〜。
くしゃみに耐えながら…カタクリの花を覗き込む春。

 

 
 
 

たまたま、いろんな柑橘系を頂いてゴロゴロと…果物好きにはたまらない! みかんもブランド化され、微妙に違う味を楽しめるようになった。文旦、伊予柑、甘平、はるか、ポンカン…美味しいね〜家にたくさん果物があると豊かな気持ちになるな〜。ごちそうさまです!
さて、3月にもなるといろんなことが終了して、長くレギュラーで描いてきたセキスイハイムの「ハーモネート」の表紙もJA兵庫西の「にっしいひろば」の表紙絵も終了してしまった…(ちょっと寂しい)新しいことを始めなくては!なのですが。ここ数年好評なワークショップ「色彩と墨にたわむる…」春はいつ?と聞かれたりもするのですが、残念ながら会場がなかなか押さえられないのです。文京区の肥後細川庭園「松聲閣」をはじめ、都立の美しい庭園を借景にゆったりした空間の利用は、やっぱり人気で抽選になかなか当たらないのです。今まで何度も開催できたのが幸運だったのでしょう。でもあきらめずにチーム「彩時気」何度も挑戦して、開催のお知らせができるように…と思っております。やっぱりどこでも良いという訳ではないのですよね〜。このワークショップは「彩り」「時間」「気」その「気」は気分や空気や…だからその時間を過ごす空間もとても大事だと考えるから。
そうか…「気合」の「気」でもあるね!!! 春の日差しがぽかぽかと…仏壇の前に並んだ、みかんを照らしてるけどボケ っとしてたら誰かさんに叱られちゃうね! 気合を入れよう!

 

 
 
 

そして早くも3月。ひな人形を描くしかないかな〜?と過去の絵手紙コラムを見直して…そ〜か…去年は、春まだ浅いイタリアへ!その旅のお土産話に終始したんだったわ。(今年の3月は残念ながら旅の予定はないけど、ふふ!4月にね、ちょっとお出かけ予定あり〜)意外にひな祭りをテーマにした絵手紙コラム、そんなに描いていない。そこで最近よく目にする「吊るしびな」を描いてみることに。
古いひな人形を町おこしのように地域一斉に展示したり、店舗のあちこちに飾るイベントが町ぐるみで開催されたり…思えば昔より、自分ち以外のお雛さまを見る機会が増えたような気がする。特に手芸ブーム?の影響か?段飾りなどは場所も取るし、飾るのが大変面倒と思う人が増えているのか、小さなお手玉みたいな人形がたくさん吊るされた「吊るしびな」をよく見る。
いろんな意味があるんだよね。鳥は平和の象徴、鶏は滋養のある卵を生むので長寿と健康、ほおずきは薬効があり、三角の袋のようなものは昔の薬袋を意味して病気を防ぎ、犬は子宝、安産祈願。花や蝶はきれいな子に育てと。亀は長寿、カブは丸いから家族円満、唐辛子はかわいい子と人形に悪い虫がつかないように虫よけに。苺や人参の「赤」も厄除け…など。昔の人はいろいろ考えたんだね。高価な雛人形を買えなくても、お手玉みたいに着物の端切れなどで手づくりして、女の子の誕生と健康と幸せを祈ったのでしょう。
さて、雨上がりの晴れの朝は花粉がドバ~っと「飛散」して「悲惨」だとか…。皆さんもお大事に。

 

 
 
 

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