■2013年5月の「絵てがみコラム」
 

「何だか優雅ね〜」とよく言われる。そう思われるだけで実状が伴っていない事は家族や親しい友人には、とうにばれている。勤め人じゃないから平日の昼間にホイホイ出掛けている。有給休暇もなければ、賞与もない。それどころかバーガーショップのバイトより月収が少ないであろう時もあるのに…。
好きなことには、人一倍どん欲なのでそんな先のことなんか分からなくてもチケットを買う。気合を入れて買う。(年末のコンサートのチケットの申し込み完了)そして、たまたま仕事が忙しくても用事が立て込んでても遊ぶ予定は極力キャンセルしない。迷惑をかけないように、そ〜っと皆勤で実行する。実行できなかったら、自分の恥だと思え!と水面下で必死で立ち泳ぎ状態。遊ぶ予定を実行するためには、夜中の2時3時まで絵筆を持ち続けてもかまわない。明け方原稿を送ったら、昼まで寝る…これを人は優雅と言うのかしら?
「優雅そうに見せるのも、才能なんじゃない?」と誰かに言われた。柿落とししたばかりの新歌舞伎座で五月大歌舞伎見物。3階席の超高みの見物でも、歌舞伎見物には違いない! 旬なものには早くタッチる? いやいや、スカイツリーにはまだ昇ってないけど…。と言ったら「スカイツリーに昇るより歌舞伎座に行ったって方が優雅そうだよ」って。
なるほど。「美味しいお店に詳しいことも、痩せないことも、優雅そうに見えるんじゃない?」ふふふふ…。それは単に食いしん坊なだけ。
そして、良い友達に恵まれていること。これは本当の優雅なことだと思う。

 

 
 
 

よく、猫の手も借りたいというが、うちの場合時々カエル君たちにも働いてもらう。
私は単なるカエルグッズコレクターにあらず! ほぼ毎年新たなるテーマでカエルデザインを起こし、ちょびっと勝手に商品化して、ひっそりと販売しているのだ。(かえる秋祭りで5時間ほど販売するだけ)昨年は「イタリアを旅するカエルシリーズ」その前は「復興応援カエル」「夏バテケロシリーズ」「江戸っ子蛙」なんてのもあった。しかしあまりにも、ひっそりなので、私のオリジナルカエルグッズを入手するのは、ほぼ奇跡に等しい。
しかし、今年は3年前の「愉しい蛙日和」以来のエキジビション。クリエーターチーム・MADAMADAMのメンバーでもある大西淳子さんとのコラボレーションで、ほぼ蛙中心の二人展「愉しい夏支度」を開催します。大西淳子さんはNHKおしゃれ工房などでもお馴染の人気手芸作家。アンティークビーズや古布などを独特なコラージュで、個性的なバックや小物雑貨を生み出します。その布の部分が、私の絵を少量プリントしたものになると言うわけ。
場所は千葉県流山の「蔵・カフェギャラリー灯環」。そうです! お店のロゴマークをデザインさせて頂いたご縁で、蔵のカフェの2階ギャラリーでの企画展の運びとなりました。
6月5日(水)〜16日(日)詳しくはWhat's Newをご覧ください。
ちょっぴり不便なところではありますが、「流山本町江戸回廊」として一茶双樹記念館、赤城神社、近藤勇陣屋跡や古い商家などが点在し、のんびり散策には味わいあるエリアです。カエル君たちの働きっぷりを見に来て下さいね。

 

 
 
 

ゴールデンウィークの最中に開催された伊勢丹での手描き扇子の実演に、多くの方にお越しいただきありがとうございました。
今年も40本近い扇子を描きました。中でもちょっと嬉しいことが…。雰囲気が妙齢なご婦人に注文いただいた「われもこう」。地味な植物ですが、そのおばあちゃま、いいや!おばあちゃまと言うより、今でも執事に○○お嬢様!と呼ばれていそうな可愛くお洒落で素敵なお客様。色もタッチもそんなお客様に似会うように考えてちょっとノスタルジックに仕上げた。想像以上に喜んでいただき、ホッとした。すると翌日、一言お礼に…と再びご来店!
「夕べ、ラジオ深夜便を聞きながら、ずっと眺めておりましたの。本当に大変気に入りましたのよ。ずっと大切に使わせていただきます。先生の益々のご活躍とご健勝をお祈り申し上げておりますぅ〜」
「は。はあ〜どどどどうも、わざわざご丁寧に〜恐縮でございます〜」と。ちょっとしどろもどろの私。ちょっと泣きそう。
また、数年前にご注文いただいたお客様。なんとなく記憶していた。御贔屓の歌舞伎役者さんに、サインをいただきたいと思っているけど貰えないかもしれないから、貰えなくても格好つくような微妙なバランスで描いてほしいと。「あ。確か、歌舞伎お好きでしたよね?新しい歌舞伎座もう行かれました〜?」何年もやっていると、顔なじみのお客様との会話も大事だと思える。毎年のように買っていただいても、去年何を描いたかなんてなかなか覚えてはいられないんだけど。その方はちょっと驚いたように目を見開き、満面の笑みで「えぇ〜〜!もちろん〜!あの時のお扇子にサインいただけたんです〜。絵の色合いと色々考えながら、猿之助さん書いて下さったの〜も〜私の一生の大事な大事な宝物です〜」と、一気に語った。嬉しいよね。良かった!
デパートのザワザワした、ほんの一角。小さなテーブルの周りに5月のさわやかな風が吹いたような…。

 

 
 
 

過ぎたるは及ばざるがごとし…とは、この事?久しぶりにポテトサラダを作った。珍しく冷蔵庫の中身も充実していて、生ハム、スナップエンドウ、チーズ、旬の新玉ねぎ、卵も2つくらい茹でて彩り綺麗にレタスも人参も…つまり、ポテトサラダなのに具が多い!ゴージャスなポテトサラダにも程がある、水っぽくてゴロゴロしててちっとも美味しくない…がっくり。
ゴールデンウィーク恒例の新宿伊勢丹での手描き扇子の実演が始まった。いつも思い出すのが、もう10年くらい前だろうか?実は一度だけ描き終えたお扇子にお客様のNGが出た。注文を受けて描くのでお客様にとっては、たとえ少々気に入らなくても断り辛い状況だとは思うのだが、なるべくそんなことが無いように喜んでもらえるように心底、イメージ通りだわ!思った以上素敵!…と言ってもらえるように細心の注意を払って描いているつもりなんだけど。描き過ぎたのだ。桜をたくさん咲かせ過ぎた!お客様のイメージは蕾がいっぱいで花は2・3輪で良かったというのだ。同じ値段だからとついついゴージャスに咲かせてしまったのだ。増やすことはできても、咲いたものをつぼめる事は出来ない…過ぎたるは及ばざるがごとし。描き直しだ。
このゴールデンウィークなんだか、寒いくらいに涼しい。暑すぎてもお客さんの足が鈍る、涼し過ぎると扇子が売れない。何なのよ〜5月だと言うのに、涼しすぎるんじゃない〜!?
扇子は景気より天気、これ業界の合言葉。

 

 
 
 

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