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月末のテストの成績は散々だった。どうやら私はイタリア語の単語を小文字表記のルックスで覚えているようで、テストの問題が大文字になっていた途端、頭が真っ白!
美術系と語学は全然違う部分の脳を使うというけど、こ〜言うことか〜〜?と妙に納得。そんな言い訳も何にもならないけど、あ〜あ。1か月のイタリア語・学生生活は終了。
ま〜元気に楽しく過ごせたんだからいいか!朝晩8時に主・Cinzia のおいしい食事が用意されて、夜遊びすることもない規則正しい生活のおかげで、風邪薬も頭痛薬も無用で、肩こりもない。和食も食べていないな〜2度リゾットを食べたくらいで、持参した緑茶も飲んでいない。
昨日エスプレッソじゃない普通のコーヒーが飲みたくて、マクドナルドを探した。
「モースト シンプル ハンバーガー e coffee perfavore!」
「yes! americano o itariano?」
「アメリカのがいいです〜please !」
こんな3か国会話で生きています。一番恋しいのは、ウォシュレットと浴槽付きのお風呂だな〜。
さて、美術のスケッチコースのレッスンはLuca先生と街や博物館を歩きながら、速攻スケッチ。先日も駅前の交差点で描くというので
「え?マジで? qui? tanto tanto 人ごみの中で?」
「va bene! we are artisti」
写真は奇跡的に人も車も途絶えた、シャッターチャンス。 奥に見えるのがフィレンツェの陸の玄関口「Firenze・SMN サンタマリアノヴェッラ駅」、ローマ〜フィレンツェを結ぶ北の終点、フィレンツェ〜ボローニャを結ぶ南の終点である。ヨーロッパの主要駅によく見られる頭端式(終着駅のように突き当たって、また出ていく上野駅の中長距離電車のような)
スタイルのホームですが、外観は1930年代に手前のサンタマリアノヴェッラ教会のゴシック様式と対比して建てられた、イタリア・モダニズムの代表的な建築なのです。色が統一されているのがイタリアらしいですよね?
美術系の学生は必ずこの対比を学び、駅舎を描かされるそうです。(Luca 先生は英語も話せるのだ! この説明をイタリア語では聴き取れましぇ〜ん!
)
そんな日常で、イタリア暮らしも後半戦です。
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「ピッコロ」小さいという意味。かわいい響きで好きなイタリア語の筆頭だ。
先週はサン・ジミニャーノというエトルリア起源の中世の町、塔がいっぱいある小さな町を訪れ、今週はルッカという、こちらもFirenzeから電車やバスで1時間半くらいで行けるかわいい小さな町に一人でのんびり遊びに行ってきた。
ローマ時代に造られた町で、旧市街は完璧に城壁に囲まれている。今はその城壁の上が遊歩道になっていて、タンポポやディジーが咲いていて市民の憩いの場所になっていた。12〜3世紀に栄えた町で、ロマネスク様式の教会など見どころも多い。最も印象的なのが、227段の階段を上った塔の上に木が茂っているグリニージの塔。屋上庭園の何が珍しいの?と言われてしまいそうだけど、その煉瓦の塔は14世紀にたてられ、その木が樹齢100年〜というから、Piccoloだけど逞しい。
ベンチでスケッチをしたのはローマ時代の円形闘技場Anfiteatro Romanoを取り込んで造られたメルカート広場。かわいいでしょ?
ぐるっと360度円形に家やお店が…そこに観光用馬車が通りかかったりするもんだから、もうおとぎ話のよう。ここもまた魅力的な町でした。
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先週から一気に、街のウィンドゥは春色に変わった。ブランド物には縁遠い私ですが、学校がフェラガモ本店をはじめ、有名なイタリアンファッションのブティック通りにあるため遠回りをしてキョロキョロ。(覗き込むだけはタダである。)
ほぼ毎日のようにディスプレーは変わり、街ゆく人の目を楽しませている。私は時々ディスプレーの仕事もするので、ユニークな飾り方を写真に収め、ついでに今年の流行色もチェック!Firenze発、今年の春夏ファッションは…シチリアオレンジ色(私が勝手に名づけた、かなり鮮やかな赤みの強い朱色。)とレモン色に近いピスタチオグリーン、それからターコイズブルーとブラウンの組み合わせ。アイテムとしては春夏なのに、レースのようにカットワークが美しい皮革のジャケットやボレロ。カラフルなロングブーツ、フリンジの付いた綿のストールも継続。アクセサリーは、かなり大振りだ。Fiorentinaファッション情報でした。
さて、こちらでは3月の最終日曜日の午前2時に時計を1時間早めて、サマータイムがスタートする。つまり明日から日本との時差は−7時間になる。Cinziaとも「失われた1時間だね。1時間睡眠時間が奪われる。1時間早く年を取るね」…とわけのわからない電子辞書会話?でうなづきあった。週末学校では音楽コースの生徒による発表会が教室で行われた。より良い先生、より良い環境、より良い発音を求めて、単独オペラ修行にやってきている強者たちである。そのたくましい歌声、演奏にしばし聞き惚れた。特に日本人女性たち!すごいよ〜逞しいよ〜!かっこいいよ〜!感動的な歌声でした。
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午後から初夏のような日差しになった。アルノ川の河川敷で若者がタンクトップで日光浴をしている。学校も後半戦。通学途中のBARで、くいっとエスプレッソを引掛けて通学する姿は一著前ですが、毎日新しい単語の嵐で、少しばかり日本から仕込んできた簡単な会話さえ、どっかに吹っ飛んでしまった!
当然だけど、質問も問題もイタリア語なわけで、宿題をしていても辞書弾きまくりで夜が更ける〜〜〜。
クラスは3人が日本人でアメリカ人2人だったけど音楽コースの女性はそちらに専念すべく、午前中のイタリア語の授業には出てこなくなった。春休み留学で2週間通学していた女子大生は(母親が私と同い年!)期間を終えて帰国した。あとはジャーナリスト志望のシカゴからの女子大生と、ハワイアンボーイ。彼は、いつもビールとワインの飲みすぎで眠そうだ。生徒3人という恵まれた環境だが、本当に覚えられない!忘れる!しゃべれない!の3重苦…誰かが言ってくれたっけ?「長年生きてきて、すでに脳みそにぎっしり詰まっているんだから、まだ空き容量いっぱいの若者とは違うわよ」…そう思うことにしよう。要らないものを追い出さないと入らないのかも…あれとかこれとか。
今週から美術の授業も始まった。授業といってもプライベートレッスンで、私の希望、私の技術、私の可能性を引き出すべく、私のためのプログラムを組んでくれての実践授業だ。学校から徒歩5分圏内にDuomoもアカデミア美術館もウフィッツィ美術館も、博物館もあり、街角のあちこちにあの美術室にあったような石膏像の本物がごろごろ。描くべきものは山のようにある。
昨日も考古学博物館に行ってイタリア原始、エトルリア芸術の数々を見ながら、Luca先生と一緒に速攻スケッチ!1時間半あまりの時間で10枚ほど。格闘技のようだ。目線のポイントや動物や人間の肉の付き方のポイントを教えてくれる。イタリア語で!大丈夫か?おい!わかってんのか〜?悪戦苦闘はつづく…。
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先週は学校から、フィレンツェにメディチ家の時代から伝わる、天然石の象嵌モザイクの工房を見学に訪れた。モザイクというと卵の殻を細かく砕いたようなものを絵柄に合わせて埋め込んでいくイメージが強いが、フィレンツェモザイクは、硬い石を絵柄に合わせて色や形をきっちりくり貫いてはめ込んでいく、根気のいる仕事だ。たとえば、人の肌を表現したいときは、その色味やグラデーションを、そのイメージに適した石の色味の部分をいいとこ取りして、納得いくニュアンスを完成させるという果てしなく気が遠くなるような仕事だ。
フィレンツェにはこんな芸術的職人さんがいっぱいいる。越前和紙の杉原氏が「フィレンツェに行ったら是非、望月君を訪ねてください」と賀状に書き添えられた、そんな一言を頼りにアルノ川対岸のサント・スピリト地区にある、望月氏の働くアンティーク家具修復工房を訪ねた。彼はフィレンツェに来て4年、家具修復の技術習得の傍ら、木嵌細工の自己の作品つくりも。イタリアでも若手の後継者は減っており、手先が器用で仕事熱心な日本人が活躍しているのだ。師匠も紹介して頂いた。ちょうど、オーストリアの美術館からの依頼で飴色のチェストを修復されていた。トスカーナの木を使った数百年前に造られたものだそうで、「木」の故郷に里帰り。完成はいつになるかわからないほど、細かい修復を繰り返すそうだ。
ほかにもこのエリアには(すべての道はローマに通ず…のまさしく、そのローマ通りの脇道に入った、下町職人さんの町)そんな工房が点在しており、彼の案内で彫刻関係の工房、レリーフの材料屋さんなど興味深く拝見した。観光用のショールームではなく、足の踏み場もないような小さな工房だが、どこも職人さんらしく、使い勝手が良さそうな、使い込まれた仕事道具の整頓が印象的。手元に注がれる集中した熱い視線もとっても印象的でした。
今回は出会った芸術的職人さんたちを描きました。背景はホームスティ中の私の部屋の窓からの眺めです。オレンジ色の屋根の隙間にどうやら鳩の家族が住み着いているようで、るるるるっるるるって鳴いています。
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目覚ましを7時15分にかけるも、7時の教会の鐘の音で目覚める。ホームスティは朝晩マンマがおいしい料理を用意してくれる。マンマといっても5歳しか違わない。(なので、以後マンマではなく主・Cinziaと書きましょう)
鍵を渡され、どうぞご自由にという感じ。彼女は舞台衣装の仕事をされているアーティスト。街でひとり暮らしをしている女性が、朝晩食事つきで一部屋貸してくれての同居生活、共通語はイタリア語のみ!先日もニュースを見ながら記憶に新しい、豪華客船の事故の話をしたかったが、クルージングもシップも通じない。豪華客船を電子辞書で引いて「transatlantico…」「!!!〜〜(船長の)スケッティーノは(頭がいかれてる)…」っていう感じのジェスチャーで会話成立。まだ、毎日がそんな感じ。私のあまりのイタリア語の出来なさに、「Grande
bambina(でっかい女の子)」とあきれられている。
食事は美味しく、初日に多すぎて半分残すという失礼をやってしまったので、次の日にはパスタを茹でる前に、「このくらい」とお願いした。それからは適量で、上げ膳据え膳でいただいている。主はコレステロール値が高いとかで、毎食リンゴとヨーグルトとビタミンのサプリ。その前で一人で食べるのは、ちょっと心苦しい。「VINO(ワイン)はあんまり…、私はDOLCE(甘党派)」と言ったつもりが、それ以来、毎日食後にジェラートが…。「昼間ジェラートの食べ歩きをしているからそんなに毎日は、要らないのよ」なんて、イタリア語で伝えられるはずもない。やばい!
それにしても、フィレンツェの街は薄暗く、ぎらぎらネオンもない。エスカレーターやエレベーターもデパートや大きなホテルくらい。このアパートの4階までも、電気をつけたり消したりしながら上がってくる。電気の消費量は日本と比べ物にならないと感じる。古い建物の維持の観点から、大きな改築ができないわけだが、原発のないイタリアでは電力をフランスから買っているのだとか。光熱費はとても高く、留学生の使い放題を黙認すると、月に300〜400ユーロも請求が来てしまうらしく、電気をこまめに切る。シャワーも控えめにと学校から注意を受けた。こんなに高いと神経質になるのもうなずける。「湯水のように使う…」という表現があるが、それさえも意識改革が必要で、日本は電力使いすぎだな〜と痛感させられる。
さて、今回はCinziaのおいしい食事を描いた。毎日パスタはいろいろ。これは特にお気に入り。巾着型の中にいろいろ具が入っていてかわいいパスタ。「Come
si dice?これ、なんて言うの?」とペンを渡したが、文字が個性的で読めない…。「え〜もうちょっと、読める字で書いてよ〜」なんて、早く言えるようになったらいいんだけど。
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そんなタイトルにしようと思っていたら、フィレンツェの空は雲ひとつ無い、快晴!昼間はコートが邪魔な一日になった。
今日は女性のお祭りで小さなミモザの花束を持った人を多く見かけた。プレゼントされたのかな〜?いいな〜。学校が終わって、近くのバールでパニーノを食べて、スタンダードな観光コースだけど、フィレンツェ最古の橋ポンテ・ヴェッキオをちょっと散策してからウッフィツィ美術館に。国立の美術館や博物館は今日は女性無料というお得情報をゲットして、ちゃっかり予約。
20年ぶりにボッティチェッリの名作「春・プリマヴェーラ」と「ヴィーナスの誕生」にご対面となった。初めて見た時は、子供のころから家にあった分厚い美術全集の表紙の、(押し花の重しにしか使っていなかったと思うけど。)その本物が目の前にある!それだけで感激して泣きそうになったけれど、名作も建物も20年年を取ったのだからしかたないか?薄暗い部屋でちょっとくすんで見えた。
しかし、「花の都」フィレンツェは街ごと世界遺産だ。14世紀〜16世紀に花開いた「再生・復活」を意味するルネッサンス発祥の地。街並みも建物も20年くらいじゃあ何も変わっていない。私がホームスティしているアパートも1400年代に建てられたものだそうで、当然エレベーターもなく、(例の重量オーバーのスーツケースを)幅の狭い石の階段を4階まで運び上げた
のだから、ホストママさんも私も今日あたり腰に痛みが……。
日曜日の3月11日は、どこかお気に入りの教会を見つけて、遠く離れたフィレンツェから
震災から一年の祈りをと思っています。無宗教の私でもそんな気持ちになる街です。
次回は普段の生活をちょっと報告しますね。
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金曜日の夜遅く、無事フィレンツェに到着。数日前から旅行でペルージャ・フィレンツェを訪れていた友人の泊まるホテルに、お言葉に甘えて合流。丸一日は3度目のフィレンツェをざっくりおさらい。
そしていよいよ、ホームステイという初体験に、友人に見送ってもらって旅立ったのでした!
今時は便利なグーグルマップで住所から街並みや建物まで検索できる。しっかりプリントしたものを持参して、自信を持ってタクシーを降りたのだが、呼び鈴のブザーがない。下はインテリアショップで2階かな〜3階かな〜?番地は間違っていないのに住居の気配がない。重いスーツケースと背中にリュック、すでに増えてる紙袋一つに、斜め掛けのカバン。プリント一枚握りしめて、
そんな姿で途方に暮れる。見かねて、親切な老夫婦がプリントを覗き込んで「ろっそ、ぬーめろ、ろっそ、ぬーめろ」ろっそ?ボンゴレ・ロッソのrosso?numero……って番号だよね?よく見ると赤い文字と黒い文字の番号表示が。どうやら赤い番号は店舗、黒い番号が住居ということらしい。お目当ての黒い番号の27番はだいぶ先。親切なご夫婦に「grazie!
grazie!」と言いながら、かなり情けない姿で石畳を汗だくでスーツケース、ガラゴロガラゴロ。
そんなガイドブックに書いていない、手ごわい洗礼を受けたから、初登校でクラス分けテストのまったくわからない、ぎっしりitaliano状態なんてへっちゃらだい!(………)
午後からとりあえず、一人でサンタ・マリア・ノヴェッラ教会のスケッチに出かけてみた。
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