■2011年8月の「絵てがみコラム」
 

日本ほど、いろんな国のいろんな料理を食べられる国もないのではないだろうか。トルコ料理、ルーマニア料理、チェコ料理、中近東料理…現地へ行かずして色々味わってきたが、先日浅草橋の小さなビストロ「アルザス料理」のお店に友人が連れて行ってくれた。アルザスとはフランスの北東、ドイツとの国境辺りの地方でワインも有名らしいが、はたしてどんな料理が味わえるのか。 フランスではパリしか滞在したことがない私は、アルザス料理と言われてもピンとこなかった。
運ばれてきたメインの皿は全体にベージュっぽい色合い。これはかなりドイツよりだな?シュークルートという(ドイツではザウアークラフトと言われている)キャベツの酢漬けが山盛り乗った一皿。豚の塩ゆで、余り脂っこくない厚切りベーコン、そしてほくほくジャガイモがごろごろ。ドイツで食べるザウアークラフトより酸味控えめで食べやすい。フランス料理の繊細さとドイツ料理の野性味が融合されたなんとも素朴で美味!ちょっと岩塩のような荒削りの塩味が食欲をそそる。浅草橋でアルザス料理!おいしゅうございました〜。
さて、7月にベランダの小さなプランターに植えて収穫と緑のカーテンを期待していた初のゴーヤ。ほおずきくらいのサイズで黄色くなって破裂して赤い種が飛び散ってゴーヤとは思えない姿になってしまいました。
何これ〜〜〜!とあわてて調べてみましたが、珍しい現象ではなかったのね。熟しすぎてゴーヤとしては、子孫を残す為に甘くなった果肉に包まれた種を地面に落としたり鳥に運ばせたり、収穫のタイミングが解らなかった私に、最終目的の姿を見せてくれたのね?
ああびっくりした〜!

9月1日(木)〜7日(水)まで吉祥寺の小さな「横丁ギャラリー」のグループ展に参加します。ポストカードと扇子を少し。お近くの方は是非お立ち寄りください。
詳しくはWhat's Newをご覧ください。

 

 
 
 

この週末の雨で、熱せられっぱなしの鉄板のようになっていたアスファルトもちょっと一息つけるような気温の低下に、ほっ。連日の35度!暑すぎましたね〜。
クラクラしながらも母と妹と3人で本郷にある父のお墓参り。恒例のどっちがメインか解らないような、その後のランチや、ショッピングや、ちょっと都心の物見遊山のようなプチイベント。父もあきれているだろうけど、母と娘、女3人寄ればそんなもんだろうと了解済みだ…たぶん。
今回も混みあう御寺をそそくさと後にして日本橋「コレド室町」でゆっくりランチをして、三井ホールで開催中の「アートアクアリウム・江戸金魚の涼」を訪れた。こんな金魚の見せ方があるのかと驚く。都会的で?大人な?薄暗いラウンジで妖艶な踊り子たちが乱舞するようなちょっと怪しげな雰囲気なのだ。おそらくそれがズバリコンセプトなのだろう。夜はBARラウンジにそのままシフトし、オフィス街らしく木・金は深夜までアーティストやDJを迎えてナイトクラブになるらしい。金魚を見ながら音楽を楽しみながらお酒を飲むという趣向。残念ながら私たちが訪れたのは、その気配だけを感じる昼間の時間帯だったが夜の金魚もちょっといいかも…。
金魚ちゃん達の深夜勤務のストレスは大丈夫かしらと少々心配だけど、そもそも金魚と言えば、夏祭りの夜店の金魚すくいだもんね?金魚ちゃんたちにとっても真夏の夜の夢…なのかな?
9月12日まで開催中、詳しくは公式ホームページを。
日本橋架橋100周年記念特別展
アートアクアリウム展〜江戸・金魚の涼〜

 

 
 
 

西に住む友人から「白桃」が届いた。ちょっと小ぶりだけど、色白の上品なお顔が、ふたを開けたら可愛く並んでいた。甘い香りに包まれて、何とも幸せな気分になる。今夜もひとつ、少し冷やして夕食後に頬張った。美味しいな〜!
7時のニュースから今日は珍しく、ずっとテレビを見ている。帰省ラッシュで渋滞する高速道路や満員の新幹線のホームからのニュース映像が流れている。毎年同じような映像だけど、今年は少し違っていた。被災地に里帰りする人や御盆休みをボランティアにあてて、北へ向かう人々を映し出していた。11日、あの震災から5か月。丁度お盆のこの時期と連動して特別番組が組まれていたようだ。見たことがない地震当時の映像、津波の映像が生々しく被害のすさまじさを伝えている。震災のその瞬間、私は栃木県に出かけていて帰宅困難になり、テレビやラジオで情報を得られる環境になかったため、翌日の午後やっと辿り着いた家で東北のとんでもない被害を知った。日本人の大切な記憶として、辛くて恐ろしい映像だが、しっかり見ておかなくては…という気持ちでその特別番組に見入った。
そして、折しも12日は日航機墜落事故から26年。次のニュースでは慰霊登山の様子が報じられていた。これも忘れられないショッキングな出来事だった。
時が過ぎても、リアルなカラー映像で、脳裏に焼き付けた忘れてはいけない記憶と言うものがあるよね。お盆だし、明日は久しぶりに写経でもしようかな?そして美味しい白桃をもうひとつ、御仏壇の前から失敬して明日の為に冷やしておこう。
沢山の悲しみと、そんな幸せ。

 

 
 
 

電車の窓からしみじみ空を見た。こんなに近くに、こんなにはっきりともくもくと雲が浮いている。面白いくらいにいろんな形をした、抱きかかえたくなるような雲が浮いている。遠くの空は暗い…あっちの方では、雨が降っているのかも。こんな空は子供の頃の夏休みを思い出す。プールへ行って、塾に行って、宿題をして、朝顔の観察日記をつけて、箱根の会社の寮に家族旅行した。大体毎年そんな夏休みだったような気がする。
そして今年は一層メリハリのない地味な夏を過ごしている。そこで、子供のころを思い出して、「勉強の夏」…にすることにした。(子供の頃、勉強の夏だった記憶はないが)実はそんなにかっこいいものではない。海にも山にも、小さなバカンスの予定も全くないだけなんだけど。何を思ったか、突如、イタリア語を学び始めた!留学途中に一時帰国されている、若い女の先生にこの夏だけのプライベートレッスンを。英語の習得はとっくに挫折した。イタリア語なんてスパゲッティーの名前くらいしかわからないレベル。モノになるなんて思わないけど、大学ノートに一杯単語を書いて、色のマーカーで女性名詞・男性名詞にラインを引いて…そんな勉強チックな時間がちょっと楽しい。あきれるほど、頭に入らないんだけど。
大人の気まぐれな「夏休みの宿題」ってことで、たとえ3日坊主でもあの雲に免じて許してね。
ではまた来週〜Ciao!

 

 
 
 

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