■2010年7月の「絵てがみコラム」
 

中国茶がマイブームだったころの、ご縁で「揚琴」を演奏される林敏(LIN MIN)さんの演奏会を訪れた。揚琴とは中国の伝統弦楽器で中東から伝わった梨の木でできた台形の幅広の大正琴のような見た目。螺鈿細工などが美しく、音色も驚くほど多彩。なんと150本近い数の弦を、竹でできた演奏撥で直接叩いて演奏する。低音域は銀もしくは銅、中高音域はスチール、竹のしなやかな撥さばきで4オクターブもの美しい音色が広がる。中国伝統曲はもちろんのこと、耳馴染みのある「夜来香」「蘇州夜曲」日本の名曲「荒城の月」やテレビ主題歌のメドレーなどもユニークで、演奏者、林敏さんの技術や「演奏の幅を広げてくれた大好きな日本」への温かな気持ちがうかがえる素敵な演奏会だった。
珍しい揚琴の生演奏を初めて聴く機会に恵まれた、蒸し暑い東京の夜。ほんのひと時、美しい揚琴の音色が涼しい風を運んでくれた。

 

 
 
  酷暑お見舞い申し上げます。
梅雨明け早々毎日35度越え!暑すぎます〜。通勤がない身でこんな嘆きは、叱られそうですがバテちゃいますね。ベランダで数分洗濯物を干す間にも、腕や首筋がじりじり日焼けしているのがわかるくらいで、フライパンの上の目玉焼き気分…暑すぎる。
夏はちょっと暑すぎるくらいのほうが景気が良くなるそうで、確かにペットボトルの冷たい飲み物は冷蔵庫に欠かせないし(お湯沸かすのも暑いから自分で麦茶作ったりもしない)面倒くさくて、食事も益々出来あいのモノを買ってきちゃいますね。(暑さのせいではなく単なる怠け者…)涼みながらのデパートやスーパーでの滞在時間が長くなって、つい衝動買いしちゃったりするようで、こう暑いと「クーラーも控えめに」というのも犯罪に近いと。ま〜自分がダウンしない程度に甘やかしても許されますね。
意外に重宝しているのが、保冷剤。冷凍庫にいくつも入っているケーキを買った時や魚を買ったときについてくる小さなパック。2〜3個手ぬぐいに包んで首に掛けるといい熱さましに。ちょっと買い物に出るときにも2〜3個ビニールに包んでショルダーバックの体に接する面のほうに入れて持ち歩くと一人クーラーに。そんなささやかな避暑で、乗り切れるのだろうかこの暑さ。

 

 
 
 

一番好きな花は蓮のつぼみ。大きく優美なウェーブが美しい蓮の葉っぱも大好きで描くことも多い。でも、ふと「蓮っ葉」という言葉を思い出した。軽率で品のない女を「蓮っ葉」…って言い方をしますよね?なんで蓮の葉なんだろう。辞書で調べてみても、女の態度や行いが軽はずみで下品なこと。浮気で品行の良くないこと。そういう女。としか出ていない。益々語源や由来が気になる。
こんなときインターネットはホントに便利、いろんな説を一気に教えてくれる。「蓮葉商ひ」から来ている説が有力でお盆の供物を盛るために、この季節だけ蓮の葉っぱを売る商売で、限られた時期だけ、短期しか役に立たない、その場限りなので少しくらい質が悪くても気にしない。そんな使い捨て感から来ているようだ。他には池の水の上をぷかぷか、ゆらゆら…そんな風に身を任せたような思慮のないイメージや、蓮の葉の上を水滴が転がる様を、軽い、遊んでいるような、ととらえた説や、タバコの葉を斜に咥えている態度「斜っ葉」から来ている説とか…。
なるほどね〜。大好きなものを悪いイメージでとらえられるのは、いささか不愉快だけど人間の想像力ってすごいなとも。蓮の葉はそんなことはつゆ知らず、大きなウェーブで風に揺れているに違いない。そんなおおらかなところが、大好きだけどな〜。

 

 
 
 

先日、ピンポン玉大の可愛いプラムが二つぶら下がった枝を頂いた。さっそく、赤とオレンジとちょっと黄色と…緑も少し混ざっていて…白い粉を吹いたような表面も特徴だねと思いながら描き始めた。
今スーパーにも数種類のプラムがパックに盛られて並んでいるが、微妙な違いがよくわからない。プラム、すもも、ソルダム、プルーン、太陽、大石早生(なんだか、早稲田の学生?みたいな名前)などなど。そんな表記を見たことないですか?
そこでちょっと調べてみた。スモモの種類は多く、中国原産の日本スモモをプラムと呼び、ヨーロッパコーカサス原産の西洋スモモをプルーンという。スモモを英語でプラム、フランス語でプルーン。中国語で李…え〜〜〜!そうだったのね!「李下に冠を正さず」という果実の木の下で頭を触ると果実を盗もうとしているように見えるので、人に疑われるような行いはするべきではない。ということわざがあるが、「梨下に冠を正さず」と覚えていたような気がする。梨の木の下ではなくスモモの木だったのね!この一枝のおかげで一つ賢くなったかな?そして、果実が大きく緑っぽいソルダムはちょっと硬め、濃い赤の太陽、日本で一番多く栽培されている「大石早生」の大石は育成した方のお名前だとか。甘酸っぱくて大好きなスモモ、いろいろ食べ比べてみるのもいいだろう。

さて、銀座伊東屋での個展「愉しい蛙日和」の様子をエキジビションのページに、その時頂いたカエルグッズのいろいろをK.K.Wの401~440に一挙アップいたしました。
今回も楽しい個性派揃いで〜す。ありがとう!

 

 
 
 

今週は梅雨本番だそうで、連日雷雨の変わりやすい天気予報だ。先日母の住むつくばの実家へ妹の運転する車で帰った。途中、人気の道の駅があり、産直の新鮮野菜や果物が並ぶ。その朝、花農家から届いた季節の花も、片手では持ち切れないほどの貝殻草が可愛くて思わず買い物かごに入れた。花枝30枝位で200円!ドライフラワーにそのままなってしまうカサカサ音がするユニークな花で、別名「麦わら菊 」ともいうらしい。
そんな買い物をした帰り道、車がオーバーヒートして田んぼ道の真ん中で煙を吐いてストップ。近くにガソリンスタンドもなくレッカー移動を頼む羽目に。午前中の雨がやんでまるで入道雲のような白い黙々とした空、隙間に青空も覗き、西の空に夕焼けが始まろうとしていた。田んぼの稲は青々と風に揺れて、たっぷりと雨水をたたえた水路にはアメンボが…。しばし、その景色がアクシデントさえ楽しむ余裕を与えてくれた。
予定外の時間を費やし帰宅。せっかく買った貝殻草の葉っぱが、ぐて〜〜っと力無くばてていた。たっぷり花瓶に水を入れて挿してみた。見る見るうちに元気を取り戻し、グリーンは一杯あるけど花が全然なかった部屋を明るくさせた。

 

 
 
 

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