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本当に桜は不思議な力を持っている。子供の頃はこんなに意識する事は無かったような気がするけど、つぼみの存在がちょっと目立ってくると、満開になる日を予想したり天気が気になったり、桜並木の前に住んでいるとテレビの天気予報の夜桜中継の撮影クルーを見つけて、あ〜そこよりもっとこっちの角度の方が枝ぶり綺麗なのにな〜と思わず綺麗に撮ってもらいたいという親心?で撮影スポットを教えてあげたくなっちゃったり、なんとなく心がそわそわと平和な気分になるから不思議だ。
昨日大阪に住む友人と銀座で食事をして穏やかな日和に誘われてちょっとお花見をしようと言うことになった。忙しくてもこのような季節限定は逃す手は無い。いかにも東京らしいところが良いかと千鳥が淵、靖国神社へと。タクシーですぐのはずが大渋滞。やはり考える事はみな同じで用の無い車もなんとなくその辺りを通ってみたいという感じ。タクシーの運転手さんさえ「さっきもここ通ったんだよね〜あ〜もう仕事終わりにして花見ながら酒飲みたい!」なんて言い出す始末。なんだかみんなの気持ちをほんわかさせちゃうんですよね。
桜の名所として名高い千鳥が淵の濠の水面に向って伸びる枝の美しさは格別で向こう岸の淡い桜色との遠近感がとても都会のど真ん中と言う事を忘れさせる豊かな自然の景色になっているのだ。ゆったり浮かぶボートも絵葉書のような光景だ。本格的な一眼レフのカメラの列の隙間からナイスなアングルを真似させていただいて携帯でパチリ!靖国神社のこれが開花宣言の基準になる木かしら?とここでも携帯でパチリ!すごく本格的な花見をしたような気分になって大阪の友人も大満足なお顔でパチリ!満開の桜は人の心に満足感を与える本当に不思議な力を持っている。
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冬に逆戻りしたかのように冷たい雨の降る中、お彼岸のお墓参りに行った。お寺までの道のりの途中に、寺町らしくお供え用のお花屋さんの出店が並び墓石屋さんもある。いつもは何の意識もなく通り過ぎるのだが、なんだか視線を感じて?帰り墓石屋さん側をゆっくり歩いてみた。やっぱり!蛙だ!おそらく墓石の破片で作ったと思われる小さな生き物達がたくさん並んでいた。パンダやふくろう、犬や猫の中に小さな御影石の蛙君発見。まるで座禅を組んでいるかのような姿が気に入って即、我が家の蛙家族の仲間入り。
蛙と言えば今年は何やら動物園・水族館協会が定めるところの蛙年だそうで、そのせいかどうかは不明だが、今年はやたら蛙づいている。蛙好きがこうじて蛙の絵を書いたりグッズをデザインしているうちに、蛙展のお誘いをいただいた。よろしかったら蛙日和をご一緒にお楽しみください。
■4月13日(日)〜19日(土)ギャラリー・コピス「蛙と水辺の仲間達」展
イラストや立体作品など12グループの作品展です。火曜日定休
都営大江戸線・半蔵門線「清澄白河」駅下車、近くには深川江戸資料館や清澄庭園などがあります。春の散策がてらお立ち寄りください。
詳しくはWHAT'S NEWのお知らせのコーナーをご覧下さい。
■5月14日(水)〜20日(火)横浜高島屋7階 クラフト倶楽部
「蛙と初夏の花展」陶芸家有川京子さんとの2人展です。有川さんは私の大好きな蛙や蓮をモチーフにした素敵な陶作品を作る作家さんです。
私は水彩画を中心に蛙の扇子や団扇など出品予定です。
詳しくはもう少し近くなったらホームページでもお知らせいたしますが、DMご希望の方はメールでお知らせください。
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今回の旅行で自分のテーマに掲げたなかに「ボタニカル・ガーデンでジンジャー科の花を見てくる」というのがある。メインストリートのオーチャードロードから15分くらいのところに東京ドームの11倍と言う広大な植物園がある。植物園と言っても熱帯モンスーン気候のシンガポールでは、温室ならぬ冷室に山岳地帯の植物が少しある以外はほとんど屋外で緑たっぷり!酸素いっぱい!優美な蘭の花などを楽しめる。10年前は個展用にトロピカルな花を描くため蘭見学をメインに訪れたが今回はジンジャー。全てが食用のしょうがの花というわけではないが実に個性的で美しい、左の「Torch
Ginger」はまさしくたいまつ(Torch)そっくり!「Crepe Ginger」は茎が螺旋になっていてとても唐突に柔かいちりめんのスカートのような花を広げていた。
■こぼれ話・その1
環境に配慮してか自家用車やレンタカーを推奨しないシンガポールではタクシー代が安い。初乗りは日本の3分の一くらいだが支払いの段階で料金が跳ね上がる事がある。日本人観光客はだまされた〜!ぼられた〜!と思うらしく怪訝な顔をすると運転手も心得たもので明細を表記したレシートを切る。初乗りは安いのだが深夜、ラッシュ時、人の賑わう中央商業地区で乗車した場合などは2割増3割増1S$(1シンガポールドル約80円)増しなどと追加されるのだ。それでも道に不慣れな旅行者にはとても便利だ。
■こぼれ話・その2
タクシーに比べて地下鉄料金は高い!と思ったら、目的地に着いてそこの券売機にICカード型の切符を入れると1ドル戻ってくる。保証金として余分に1ドル取られていると言うわけ。目的地までちゃんと買ったご褒美か旅行者が記念に持って帰っちゃうのを阻止する為か…?
■こぼれ話・その3
町を汚さないようにガムの投げ捨て厳禁は有名な話だが、ガムそのものを国内に持ち込むのも禁止。その徹底振りには感心させられる。雨上がりの川沿いを歩いていても蚊にさされる事はなかった。28度くらい、日本の夏の夜のようなのに。植木鉢の受け皿などに雨水がたまって蚊を発生させていないか厳しい点検があり、放棄していると罰せられるらしい。観光先進国に見習うべきところがたくさん有るようだ。
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シンガポールの食と言って思い浮かぶ人は少ないかもしれない。多民族特有のミックスカルチャーで中華を中心にココナッツやスパイスに特徴のあるマレー料理、インドネシア料理、インド料理、プラナカン料理そしてお洒落なイタリアンもフレンチも有るし日本食レストランも多い。日本のデパートも多く進出しているので東京と同じ食生活をしようと思えば可能だ。
でも旅の限られた食事のチョイスは貴重だ。シンガポールに仕事で頻繁に来ている方々と会う機会が有り美味しい海鮮料理をご馳走になった。雨上がりの涼しい風の吹く川沿いのテラスでお店の自慢のチリ・クラブという甘辛いチリソースで炒めた蟹。太い腕に身がたっぷり入っていて蟹の旨味が染み出たソースは、もっちりした揚げパンに付けたりご飯にかけて残さず食べる。みんな無口になってパクパク食べる。シンガポールの代表料理と言っていいだろう。蒸しエビもピリ辛のソースやオイスターソースに付けて食べる。白身魚のすり身のフライは、サトウキビの茎をスティックにしたホクホクの優しい味付けだ。付け合せに香菜(パクチー、チャイニーズパセリ、コリアンダー)が盛られているが、以前は口に入れたらモワっと独特な臭みが口の中を襲うこの香菜が苦手だったが東南アジアを旅行すると何を注文しても頻繁に登場するのでそのうちに慣れてしまった。好物ではないが除けずに食べるようになった。
慣れと言えばちょっと失敗をした。チャイナタウンの老舗の食品店で、10歳くらいの男の子が店番をしていた。学校が休みだったのだ。テキパキした接客や携帯電話の計算機機能で手際よく会計する立派な若旦那ぶりに感心してわずかなおつりをチップとしてあげようと思った。アジアの子供たちが無理やり働かされていたり、物乞いする姿に慣れてしまっていたのだ。しかし若旦那は凛とした姿で「どうして?計算間違ってないでしょ!?そんなの受け取れないよ!」言葉は通じないがまさしくそんな態度で突き返された。私の行いは彼のプライドを傷つけてしまったようだ。中途半端な慣れと思い込みを追い越してアジアはどんどん進んでいたのだ。
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カトン(KATONG)を街歩きしていると突然のスコール。雨宿りに立ち寄った観音堂で大きな笑顔の像に遭遇。両手を上げて大きなお数珠を持ってガハハハとえくぼを見せて笑っている。裏にも同じ顔があってやっぱり笑っている。いいことありそう!
雨が上がって再び散策。静かな住宅街にトロピカルフラワーが溢れている。珍しい赤い花が家の塀に美しく咲いているのを撮影していると、その家のご主人が他にも家内が育てている植物があるから見ますか?と庭に招き入れてくれた。そこには日本に旅行した時に食べた「かぼす」の種を育てたという背丈ほどの「かぼすの木」がたわわに実を付けていた。何か飲み物でもと私たちをうながしてリビングに通して下さりご家族を紹介してくれた。
ご子息の彼女は日本人とのことで、かたことの日本語、家族間ではマレー語、K子氏の流暢な英語、私の笑顔?でしばし楽しい会話。観光客がこの辺りに来るのは珍しいらしく、K子氏から、私がアーティストで花や街並みを描く為に取材に訪れたと話すと、丹精こめて花を育てている奥様はとても嬉しそうだった。結局ランチまでご馳走になってしまった。花の縁で見知らぬ町で思いがけなくも心温まる一期一会の時を過ごした。
やっぱりあの観音堂のえくぼのガハハハおじさんのお陰かな?そういえばその観音堂寺院で可愛い女の子をつれた家族とも雨がやむまで話したっけ。日本に行った事があると言っていた。道を教えてくれたあのおじさんも…。親切で日本びいきな人達にめぐり合わせてくれたのね。
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実は先週の絵てがみコラムは木曜日に仕上げて金曜日からシンガポールに行ってきました。仕事で長くお世話になっているプロデューサーのK子氏との二人旅。いくつかの目的や今後の仕事につなげる市場調査も含めてのタイトなスケジュールだったが、そこは旅行好きの二人のこと、こだわりのテーマを掲げて楽しんできた。
私は、20年前と10年前そして今回と3度目のシンガポールだが、緑豊かなコスモポリタンシティはますます美しく進化していた。琵琶湖ほどの小さな島国に中華系、マレー系、インド系の民族が混在し特徴ある町を形作っている。その中でも特にシンガポールらしいのがプラナカン文化だ。15世紀国際貿易の拠点だったマラッカ(マレーシアの古都)に来た中国人とマレー人の婚姻によって根付いていった文化に、この地を訪れたポルトガルなどのヨーロッパの文化が混ざった独特の様式で装飾的な建築は特に魅力的だ。しかし、シンガポール中心部はそんな歴史ある建物も激減して、モダンなショップやカフェに姿を変えつつある。
中心部から少し東に離れたカトン(KATONG)という町にはプラナカン文化がまだ息づいている静かな住宅街があると知り訪れることにした。MRTパヤ・レバ駅から迷う事20分、どうやら逆方向に来てしまったらしい。“歩くには遠いよ”と親切なおじさんが自分も乗るからとバス停まで同行してくれて“私はここで降りるがもう一つ先だから”と私達に何度も念を押し、運転手さんにも知らせてやってくれと頼んでくれた。バスの中でも、自分は昔は船乗りだった、日本にも行った事があるなど異国の地でのおもてなしの気持ちが感じられる会話に感激!(流暢な英語が話せるK子氏のお陰である。)
さて目的のジョー・チアッド・ロード周辺は今回描いた様なパステルカラーの家やショップハウス(一階が店舗で2階3階が住居)が界隈の高級住宅街と調和を保ってゆったりした時間が流れていた。日本では考えられないような色合いと装飾、棟続きになっているが一軒々が個性を競い合っている。タイルはヨーロッパ的だが、良く見ると中国で縁起が良いとされる牡丹や鳳凰の柄だったり、ちょっとチープなショッキングピンクの薔薇柄だったり、金柑の鉢植えの横にはプルメリアが咲いていたり、窓枠の凝ったつくりなどはコロニアル建築好きにはたまらない!飽きずに何十枚も写真を撮った。錫鉱山やプランテーション、貿易で富を築いたプラナカンの面影、折衷の魅力に溢れていた。
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雛人形は奈良時代に、悪い事から身を守るおまじない用に紙や草木を人の形にした事から始まったらしい。その人の形をしたもので、体をなでて災いを流す「流し雛」と平安時代の「ひいな遊び」という女の子のお人形遊びが結びついて定着したと云われているようです。そもそも、その女の子一人のために身代わりになって身を守るという意味があり、姉妹で共有したり家族で引き継いで行くものでは無かった。又壊れやすいからと言って見ているだけで子供が触るのを嫌うのも間違いだとか…。触ることによってその子の災いを人形に移すわけだから子供も一緒に飾り付けを手伝うのが正しい。飾り方には、向って右がお内裏様だとか、いいや左だとか…時代や地方によっての違いもあるようなのですが、男性が左手で女性を守り右手に剣を持つという西洋のナイトの定義に合わせて、向って左にお内裏様を飾るのが今様のようだ。
雛人形には知らない歴史がいっぱい。私のお雛様は私の歴史をいっぱい知っているのにね。
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