■2006年11月の「絵てがみコラム」
 

久しぶりにインテリアファブリックのトレンドショーと国際家具見本市を東京ビッグサイトに見に行った。最近は壁紙の企画やデザインの仕事をしていないので業界の流行にも疎くなってしまった。でも基本的には壁紙やカーテンや床材とのコーディネート、色のトレンドなど見るのも考えるのも大好きで興味は尽きない。
壁紙は色や柄よりすっかり機能性の付加価値が謳われ、ペットとの暮らしや福祉施設などの利用を視野に入れた空気を洗浄する壁紙。団塊世代をマーケットにした、ゆとりと趣味を楽しむリビング。好きな音楽を鑑賞するというレベルを超えた昔の仲間とバンドを組んでギンギンにエレキギターを弾ける部屋という発想だ。
ホームシアターとインテリアを完全に融合させた上質な空間の演出も盛んに提案されていた。少し前の3世帯住宅のおじいちゃんとおばあちゃんの部屋とは全然違うかなりカッコいいインテリアだ。妙にゴージャスなシャンデリアもトレンドと見た。カーテンやブラインドは三次元化している。切ったり足したりで立体化しているのだ。どんな人が暮らす部屋…?と思うようなコーディネートも多々あったが、そもそも現実の自分の暮らし振りとはかなりかけ離れているのでニュアンスだけの情報収集で充分だ。デコレーションの仕事にはそんな目の保養でも役に立つことがあるものだ。

 

 
 
 

今年の秋は毛糸のセーターを着る機会がないな〜と思う程暖かい日が続いていたけど、さすがに11月も後半、急に寒くなってきた。食器を洗う水も冷たく感じはじめたというのに、なんだか「水」の難が続いている。
マンションのエントランス水滴り事件が発生。古い鉄の排水管が原因だとわかったが、これを機会に浴槽や水周りのリフォーム工事をすることになった。
音とほこりと防水剤の強烈な匂い。換気のためにドアと窓開けっ放し。寒風吹き抜け状態もしばし我慢! 工事の職人さんも大変だ。タイルも張りなおす2週間の工事だ。うちだけ時々断水。お風呂はマンションの空いた部屋に洗面器もってもらいに行く。ちょっとした銭湯気分だが水が思うように使えないのは本当に不自由だ。
洗面所ががたがたしているうちに、こんどは洗濯機もなんだか調子が悪い。洗濯機の足元になんだかおもらし…?えーーー! なんなの? 故障? 買い換えなきゃだめ? なんか水難の相が出ているんじゃないかと思うほどの今日この頃。
まあ、イライラしないで一杯の熱いココアを飲みながら、お風呂の工事が終わったらそのまま引き続き大掃除をしてしまおうと心に誓う私です。

 

 
 
 

石蕗(つわぶき)こんなところに植えられていたんだ! と秋になって急に黄色い花を咲かせて、蕗の葉に似た色艶の良い葉を茂らせて、気づく。
佃煮の「きゃらぶき」はこの若い茎を煮たものだと最近知った。日本の庭に良く似合う、以前から描いてみたかった花の一つだ。
さて、今週は思いきり芸術の秋。仕事が忙しくても上野の森で日展を鑑賞して知人の個展などにも足を運んだ。たくさんDMを頂いてもなかなか全部は廻れない。ごめんなさい! でもやっぱり時間を上手に作って、出掛けて見ないとね! 気持ちのこもった作品たちから受ける刺激はとっても貴重だ。
さてさて、この秋出版を目指して夏に制作していた大人の為の新ぬり絵本「よだかの星」(原作・宮沢賢治)が11月10日に発売になりました。
流行のぬりえの本ですが、宮沢賢治の名作童話を読んで、筆ペンで文字のなぞり書きをし、挿絵のぬりえも楽しめる…という新しいタイプのぬり絵本。その挿絵を担当しました。詳しくは最新情報のほうをご覧下さい。一冊で読書の秋と芸術の秋、両方ゲットというのはいかが?

 

 
 
 

今年遷座300年にあたる根津神社は下町の人気エリア、谷根千(やねせん)の中心的存在だ。谷中・根津・千駄木そのあたまをとって谷根千と親しみを込めて呼ぶらしい。家からも歩いていこうと思えば行けなくも無い。小石川植物園を越えて白山を越えて東大の脇を抜けて…元気よく歩いて3〜40分程度だろうか?
10月の下町まつりでは境内で開催されたフリーマーケットに参加、5月頃のつつじが有名で何度か訪れているが秋の下町まつりは初めてで子供たちの和太鼓の演奏や屋台などを覗いて楽しんだ。結婚式にも遭遇した。
古風な神社での挙式も厳かな雰囲気で良い感じだ…といいたいところだが、和太鼓に混ざってちんどん屋さんが横切ったり、少々にぎやか過ぎて厳かな雰囲気は吹き飛んでいた。でもこれが下町の魅力かな?
秋晴れの連休、紅葉狩りの遠出もうらやましいけど近所の小さい秋見つけた!
根津神社の境内の銀杏の木も少し黄色くなっていた。そして靴のうらにも秋の
香りが……あわわ!ぎんなん、ふんじまった!

 

 
 
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